昔の景色の記録は、解像度が低い。7年前に携帯で撮った写真の解像度は400だか600ピクセルくらいの幅しか無くて、今見るとひょっとしたらスマホ(自分はiPhoneを使っている)のアプリのアイコンの方が高解像度なんじゃないか?というくらいだ.
個人的な事情でなくとも、白黒写真からカラー写真に変わったり、そのカラー写真も時代と共に色が抜けたりする。アナログで保存されているものは劣化して本人達の記憶以外は色あせてしまう。
デジタルで保存すれば色あせないかというとそうでもなく、いや、ファイルが壊れたり画質が劣化するとか、そういう話ではなく。技術が向上することで、本格志向の人間以外が使うようなカメラとか(携帯電話やスマホも含む)、それで撮った写真を保存するパソコンや端末も、扱える解像度が上がっていく。
それに慣れてしまうと過去の端末で撮った写真の解像度はボケボケの色あせた写真に見えてしまう。
劣化した写真や昔のドラマの映像を見ていると昔は淡い色合いだったり茶色っぽかったりしているように感じてしまうが、そのドラマに出ている役者の目に写っていた景色は鮮やかだったはず……
そんな話をすると80年代とか70年代の話をしているようだけれど、HD画質以前と以降も同じだと思う。自分の記憶だと水戸黄門の映像がどこかのタイミングで急にきれーな画質になっておや?と思った事がある。
撮影しきれなかった鮮やかさを懐かしむのは昔のアナログ機材だけの特権ではなく、デジタル機材にだって懐かしさを感じる事ができる……はずだ。多分。
今最新の機器が撮影しきれない物も今はそれが何なのか見えないけれど、未来になると未来の最新機器と今の最新機器とで比べられてその撮影しきれなかった物が何なのか誰でもわかるようになってしまう。
映像とかアニメとかゲームとか楽器とか、
昔の機材の出すあたたかみを持たない最新の機器で作られたものは何故か貶されがちだけど、それにも未来の機器が出せないあたたかみが隠されている……はず。多分。
当時の懐古派が否定するその時は最新だったローポリのゲームとか、音楽PVとかのバキバキな色と影の3DCG映像とか色々、そういうのも今見るとなんだか愛らしかったりする……と、個人的には思う。
あたたかみは結局錯覚で存在しないとかそういう結論にするとなんかアレだけど……いや、そうじゃなくてあたたかみを感じない最新機器も何故か、未来になるとあたたかみがあっただのなんだの言われるんだろうなとか、そういう……