ポリポリ。
ザクザク。
「…………」
ポリポリ。
「…………。」
窓の外を眺めていた。
…働かなければならない。
しかし、電話をするのは怖い。
そもそも、続けられる仕事があるだろうか。
前のバイトは、クビになった。
その前のバイトは、バックレた。
俺はこれから、どうなるのだろう。
「小説家になるんだ!」
そう豪語して大学を辞め、はや数年。
書き上げた小説、ゼロ本。
書きかけの原稿が積み上がっている。
今も構成メモの隅に、パラパラ漫画を作っていた。
「…明日から本気出そう。いや、来年…」
食べかけのドーナツを無視して、横のアメリカンドッグに手を伸ばす。