しんしんと降る雪の夜。
いつもよりも儚げな街に心振るわせながら、行く当てもない先を目指して街灯を点々と訪ねていく。
この純白にのまれながら、そっと永い眠りにつき、消え去ってしまいたい衝動に駆られる。
僕はいつからこんなにも弱くなってしまったのだろうか。
凍えるような寒さの向こう側に憧れを抱く。
そっと伸ばして掴んだ雪は、僕の手の体温と交換されるように、消えていった。
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