Neetel Inside 文芸新都
表紙

秋乃シショホ作品集
闇と僕

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闇が笑っている。

ゆっくりゆっくり僕の手をひいてゆく。

寒さに悴んだ僕の手を、どこまでもどこまでも。

僕が微笑み返すと、彼は一瞬戸惑ったような顔を見せ、立ち止まった。

今度は僕が彼の手をひいてゆく。

ゆっくりゆっくり、どこまでもどこまでも。

そうしてふいに振り返ると、彼はいつの間にか何処かに消えていた。

       

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