Neetel Inside ニートノベル
表紙

最強魔王が転生でクソザコ陰キャな訳だが?
獣人シシ

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 魔界……。そこは強きものが正義の無法地帯。

 異端の獣人シシは今まさにその世界の覇権を争う大戦の最中にいた。

「偉そうなクソトカゲがぁ!とうとうお別れの時が来たみたいだなぁ!!」

 語気を強めて楽しそうにその獣人は言う。背丈はおよそ190cm。人の世において大柄な体格ではあるが、魔界、ことにこの腐海竜王と呼ばれる巨竜の前では親指の爪のような体躯であった。

「粋がった猿の跳ねっ返りにしては度の過ぎた態度であるなぁ……。」

 腐海竜王はゆっくりとした口調で呟くが、その肉体と精神の力強さは地響きのように辺りに伝わる。

「(やっぱ半端ねぇなぁ……。)」

 シシは実感をもって自身の現状を理解したが、動揺はなかった。
竜族の娘どもはとても美味であった。幼きものを愛で、儚きものを汚し、美しきものを喰らうことはシシにとって無上の喜びであった。魔界中の竜族の娘どもを暴力と性器で犯してまわった事が今日の日につながったのであるが、シシは自分のした事のツケがとうとうまわって来たなどとは微塵とも考えなかった。ただ、目の前にそびえたつ大きな障害を乗り越えることで、この先により大きな歓びが待っているのだと考えていた。

「死ぬが良い!」

「死ぬのはテメェだぁ!!」

 腐海竜王は猛毒の息を吐くため、大きく息を吸い込もうとした。しかし、アゴの動き、喉の動き、胸の動きがかみ合わない。言葉を交わした刹那に、腐海竜王の体はシシの獰猛な爪でバラバラに引き裂かれていたのだ。

「まったく竜族のおっさんてのは迫力ばっかでトロいのばっかだな。」

「身分をわきまえぬ猿がぁ……ッ!!!!」

 体と頭を切り離された状態で腐海竜王は吠えた。そして、魔界の瘴気をより濃くするような恨み言をシシに吐きながら腐海竜王は息絶えていった……。

「ふぅ……。」

 シシはため息をついた。結果だけを見れば圧勝であったが、実際はそうではなかった。腐海竜王の猛毒の息は、たとえ鼻息のレベルであったとしてもシシの身体の自由を奪ったであろう。シシの爪が切り裂いた肉から噴き出る血しぶきを、少しでも浴びていたのであればシシの肉体は壊死していただろう。もし、腐海竜王が激昂せずに冷静にシシの命を奪う事だけに注力していれば、結果はまた違ったかもしない。竜族と獣人にはそもそも絶対的な力の違いがある。それを理解した上でシシは闘いそして勝ったのだ。

「ご褒美タイムの始まりだな♪」

 胸と股間を熱くして、シシは主亡き腐海竜王のねぐらに向かった……。

       

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