Neetel Inside 文芸新都
表紙

夢の中で
②邂逅、同化、世界の完結

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この世界の設定は埋め尽くされ
物語は完成した
もうじき私のメモも終わるだろう

ーーーーーー

過去の王は理想を語り
それを実現させた

イヴ「そういえば、あの大学でのポスターにはどんな意味が?」

狂人「アレか…あのポスターは僕が君に向けたメッセージだよ気付いてくれたのかい?」

イヴ「どうやってあのルートに確定させたのですか?」

狂人「僕の世界、つまりこの物語の過去編は君の物語の完成後につくられた
君からしたら未来、つまりこの後に過去が作られるわけだだから僕は王の資格として君の物語を知っている

だから君が物語進行で大学へ寄る事を知っているから君へメッセージを送った」

イヴ「どーして?」

狂人「本来僕は君の物語に登場する予定はなかったからね、ただ過去にあった事象として情報が存在するだけだった、でも君に興味がでてね」

イヴ「そこでメッセージを送る事で私に貴方の存在を認知さらに興味と登場の意味を持たせた」

狂人「そう、君の物語において重要人物としての役目を持てるように君に干渉したんだ」

イヴ「なぜ私に興味が?」

狂人「僕は本来の君の物語を知っている、そしてその物語のファンなんだ」

イヴ「王として自身の物語と同作者の物語を認知する事ができるからの楽しみでしょうか?」

狂人「でも僕はこの世界の外側を作っている作家が大嫌いでね」

イヴ「ファンなのでは?」

狂人「物語は好きでも作家は気にくわない、別に矛盾はないさ」

奴は机に置かれた端末を取り書籍情報を開いた

狂人「白紙なんだね」

イヴ「そもそも進行上に私が読まないので内容など不要、確定すらされてません」

狂人「まあ設定を抜けて来た不純物として文句は言えないよね」

イヴ「ええ、貴方はイレギュラーですよ貴方の干渉によって私の物語は狂い始めた」

狂人「ポスター上のメッセージの影響で君の日常系という物語は上位者への反乱へと変わった」

イヴ「本来の私の物語はどんな結末だったんですか?」

狂人「君は僕の存在など気にせず
あのまま病院で眠る恋人の息を止めて
君はこの図書館に来る、そして恋人へ手紙を書き息を引き取るのさ」

イヴ「なるほどその手紙がさらなるマトリョシカ構造の内側になるはずだったと」

狂人「でも僕は君が死んで終わる物語が許せなかった、ファンとしてね」

イヴ「ファンならその結末も受け入れてくださいよ」

狂人「だから君のファンであって、この世界の作家が嫌いなんだ」

イヴ「地雷ってやつですか。」

狂人「そもそも僕は自分より外側の世界にいる奴らが気にくわない、外側の上位者つまり僕達王の認知する神、僕達が知る夢男と夢子」

イヴ「ええ、でも上次元者はこの世界を自由にしてる為どうしようもないですよ?」

狂人「うん、だから世界をコールドスリープさせたんだ。僕達と同じマトリョシカ構造の人形上の宇宙にて外側の上位者には敵わない」

イヴ「たしかに物語の世界全体で新たに世界を作ったのであればそれはこのマトリョシカ構造の宇宙達と別のモノになる、けれどその人類共有で作る世界も夢男達が作った物語の一部をなぞっただけなのでは?」

狂人「そう、そもそも失敗以前になにも反撃できてなかった」

イヴ「物語内での登場人物の行動は全て書き手の作るモノになってしまう以上反撃も糞もありませんよ」

狂人「物語内ではね…」

??

狂人「だから物語外、僕の世界が終わった後にあのメッセージを残した」

イヴ「なるほど、つまり私を使って上位者へ喧嘩を売ったわけですね」

でも、私の世界もあと少しで終わる

狂人「そう、終わるんだ!つまり君はもうすでにこの物語中に夢男と夢子を喰らっている」

イヴ「本来の物語との相違点ですか…
本来の物語では私が行う世界創造は彼に向けた手紙…」

狂人「でも君は彼のみてる夢をメモにしたんだろう?」

イヴ「そうだった、夢男を彼のみてる夢、あと夢子を彼からの視点で私としました」

狂人「つまりもう外側と内側の順は機能せず、このマトリョシカ構造において上下関係はないんだ」

イヴ「ええ、マトリョシカ構造はメビウスの輪の形に変わりそれを私はウロボロス構造と名付けました」

狂人「なら僕の願いは叶ってる」

イヴ「では私の物語も終わりですね」

狂人「君が死ぬ物語は無くなった、そして上の次元からの一方通行すらも壊れたんだ、ここからは設定や物語に縛られない運命なんて決まってないんだ」

イヴ「なんかあっけない、気づいたら大きな事をしていたんですね」

だって私は妄想をメモしただけ

狂人「まぁ、現実とはそんなものさ」


奴はそう告げると
半透明になり

狂人「今の世界ならどんな結末も望める、僕の願いは消える事と設定する」

そして
透明に

消えた

さて乗っ取った上の次元
つまりは病院で眠る彼の夢
もしくは私の作ったメモへ行こう

それが私の望んだ結末

現在のメビウスの輪において交差点をこの図書館としたときマトリョシカの内側を見ることで外側の情報を全て把握する事ができた

外側の世界の始まりは
胃袋を裏返すとき

イヴ「わたしは胃袋を吐き出した」

そう世界に設定すると
もちろん身体は胃袋を吐いた

そして私はそこに傷を付け
裏返した

ーーメモの世界にいる私へ

       

表紙

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Neetsha