オレンジ色の太陽も暮れようかという所ようやく村に到着した。
ボロイ家屋、ジジイやオッサンばかりの女っ気のまるで無い住民構成。
一晩休んだら早々と立去りたいところだ。
「パパぁ~、あのおじちゃんだれぇ~?」
「おー、何時までも遊んでないでさっさと家入れ。」
ボサついた髪、薄汚れた服にボロボロのマント、
確かにこの格好では流浪の民にしか見えやしないし、
おっさん扱い以外はこの反応も納得だ。
ただ、腰に差した剣を見た途端、村人達の態度が急変した。
「おい、見ろ!剣士様だ!」
村人達の視線が一斉に俺に集まる。
おまけに、“救いの神”等とのたまって泡を吹いて倒れる老いぼれまで現れる始末。
騒ぎを聞きつけたのか知らないが、村中央の一番マシな家から村長を名乗る爺さんが出てきた。
続く