夜通し
夜通しアリスは宙に浮く
時計を持ち込み難なく兎と
古の歌で踊ろうか
何処までも落ちてく不思議の話
夜通しアリスは線を引く
狂気と延期のそのまた先の
煩い豚との挨拶を
ひたすら演じるシャム猫のヒゲ
夜通しアリスは単に泣く
陽気に囲まれ朽ちてく心が
最低な恋を学ぼうか
お先にどうぞと芋虫が落ちた
夜通しアリスは死んでいる
薔薇色の国の容器に蓋して
簡単な歌で踊ろうか
飽くなき裁きと歪んだ私
文芸新都 |