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中年戦隊ミドレンジャー
第二戦:ミドレンジャーとは

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第二戦:ミドレンジャーとは

ミドレンジャーを引き受けた理由。それにはこの順子の存在が大きく関係している。洋助の親友にして、順子の夫、誠はさる大学の助教授だった。その彼が失踪したのは2年前。人類学という耳慣れない学問に身を投じていた彼は、世界の人口を減少させんと目論む組織ジェノサイドを調査していた。その陰謀の全容を暴かんとしていた矢先、行方を晦ました誠。愛する亭主が突如、姿を消したわけで、妻の順子の落胆は計り知れない。ようやく授かった一粒種の成太を遺し、姿を消すことなど考えられず、当然、疑いの目をジェノサイドに向けた順子。とはいえ、ジェノサイドはTVでお馴染みの戦隊ヒーロの敵役とは異なり、怪人や魔人を送り込んでくるわけでもない。世間に静かに深く潜行し、それでいて人々の生活に密接に関係しているところから日本の破壊活動に手を染めている。

結婚後は子育てと、短大時代に取得した栄養士の資格を生かし働くシングルマザー。その順子を支援したいという思いで協力を惜しまなかったのが高校時代の親友たちだ。電子工学を研究テーマとしていたメンバーの一人、巧はジェノサイドの構成員だけが所持するメンバーズ・スマホの周波を察知するセンサーを開発。彼らの暗躍する場が簡単に把握できるのだ。が、それだけではジェノサイドの撲滅に貢献はできない。そこに救いの手を差し伸べたのが、巧の所属する研究チームだ。極秘裏にジェノサイドの撲滅を図る日本政府から支援金を受け取り、潜入、調査、破壊活動のそして、戦闘を担う特殊スーツを着込んだ集団の結成を呼び掛けた。それがミドレンジャーなのだ。なんと驚くべきことに、ヒキコモリの貴も参加し、正義のヒーローとして脱ニートを果たした。さらにはシングルマザー状態で、かつ働く女性である順子もミドレンジャーに加わり、人妻ヒロインとなったわけである。

       

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