Neetel Inside ニートノベル
表紙

不人気叩かれ文芸作家の僕がプロデビュー…
3・僕がラノベの最優秀賞を受賞!?

見開き   最大化      

新しいフォロワーさんはカミナリマガジン編集部だった!

カミナリ大賞に応募するずっと前にフォローしていたのだが、こうして相互フォローして貰えるとは……凄い!

手紙マークをタップすると差出人はカミナリマガジン編集部……からのDM…え?

メッセージには
「編集の田所と申します。突然で申し訳ありませんが、今お電話差し上げてよろしいでしょうか? ご連絡お待ちしております」とあった。

一次審査にも引っ掛からなかった僕に?

なぜ……?

と思いながらブルブルと震える指で『はしじめまして、こんばんわは。大丈夫です。どうぞ』と返信した。

すぐに着信が鳴り、心臓がキュッとなった。

僕はさらに震える手で通話にした。

凛とした若い女性の声が
「夜分、失礼します。わたくし月刊カミナリマガジン編集部の田所 澪奈(みおな)と申します。牧野ヒツジさんの携帯電話で間違いないでしょうか?」と言った。

「ぁぁ……は…はぃー」

「誠に申し訳ありません。
今回ご応募いただいた『暁のファンファーレ』が手違いで審査から漏れておりました。
気がついて拝読したところ大傑作だと確信し、審査委員会を再招集して読んでみてもらったところ大変な評判となりました。
すでに結果を発表しているので、本来であれば次回に回すのが筋ですが……なるべく本作を早く世に出したいと編集部、審査委員会で一致しました。
つまり、つまりですね…
大変急な話で恐縮なのですが、最優秀賞を贈らせて頂きます」

「えー!」

僕はビックリして倒れそうになった。

「「「ぇえ!」」」

周りの新都社作家さんも驚きの声をあげて僕を見る。

どうやら震える手でスマホを操作していたら気がつかないうちにスピーカー機能になっていたようだ。

田所さんの声が続く。

「つきましては先ほど受賞の告知を弊賞ウェブサイトにアップいたしました。ご確認いただけると幸いです」

「そ、そうですか。ありありありがとうございます。い…いま、あ、あのとりこんでて……」

「……そうだったのですか。
ええ、では明日にでもご都合の良い時間にお電話下さい。
色々とまだお話しする事がありますので。
それではよろしくお願いいたします」

電話が切れた。

皆が黙ってこちらを見ている。

視線が痛い。

何これ? 誰かの手の込んだイタズラ?

耐えきれずに何やら騒がしいスマホに視線を下ろす。

え? 何…?

ツイッターフォロワー数が毎秒100単位で増えてゆく。

ツイッター壊れた?

「あー本当だ。カミナリ大賞決定した……って……」

シュポポ先生がカミナリ大賞のサイト画面を僕に向ける。

『緊急訂正!!
カミナリ大賞 最優秀賞受賞作 牧野ヒツジさんの『暁のファンファーレ』に決定!』との文字が。

別の机のあちこちで

「なにそれすごいの?」
「ラノベ系で一番権威のある賞だって」
「最優秀作は必ず書籍化されるんだって」
「大賞は賞金500万らしいよ」
「で、誰が獲ったの?」
「牧野ヒツジさんだって」
「知らない。読んでる?」
「読んでない」と声がする。

「すごーい!」オマーン先生が僕の左腕にすがり付く。

柔らかく温かい胸が二の腕に当たる。

「おめでとうございます!」

右隣のちょちょちょ先生が同様にしがみつく。これまた大きな胸を必要以上にすり付けてくる。

シュポポ先生が「お、おめでと……」と怒っているような泣き出しそうな顔で僕をにらむ。

オマーン先生が
「えー凄いじゃないですか! ほらほら見てくださいよコメント欄」とスマホを向ける。

僕は『雲海のフーガ』のコメント欄を見た。

『おめでとうございます。早速読んでます!さすが最優秀賞を受賞された方だけあって出だしから素晴らしい作品です』
『一行目からファンになりました。これは絶対傑作! 受賞作も読むのが楽しみです』
『こんな凄い才能が埋もれていたなんて震える』

などなど絶賛コメントが続く。

「あたしも記念カキコしていい?」とオマーン国債先生が囁く。

僕は恥ずかしさでのぼせてしまい
「ど、どうぞ」としか言えなかった。

だめだ、何が何だか分からない。

頭がクラクラする…

       

表紙

牧野羊 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha