Neetel Inside ニートノベル
表紙

格闘衝動
おまけ(設定・裏話ect)※ネタバレあり

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各キャラモデル

●『俺』
 基本イメージは幼年期編の刃牙。年齢も同じですし、尖ったナイフ感と子供っぽさが同居した危うい感じが。旧アニメをスカパーで見たのが格闘モノの創作物との長い付き合いの始まりになります。
 それをベースに下記の要素をプラスしています。

①『喧嘩稼業』の佐川睦夫・徳夫兄弟。
 父親による虐待に近い鍛錬によってイカれたというキャラクター性を主人公ポジションでやるというのが狙いの一つ。睦夫の『最格エピソード』を読んだときに『完璧にトチ狂ってるけど、気持ちはちょっと分かるわ~』みたいな感覚を『俺』を通して表現したいです。

②『軍鶏』の成嶋亮。
 親殺しから物語が始まるのは『格闘衝動』と同じですが、『軍鶏』では主人公の抱える闇についてスピリチュアル的な漠然とした『この世の悪』みたいなものに憑りつかれていると、という方向性になり、個人的には『最初は良かったけど思てたんとちゃう』となったので、『俺』の描写ではもっと地に脚がついたものを描きたいと考えています。

③『喧嘩稼業』の佐藤十兵衛。
 才能では一流に劣るが卑怯な策で相手を上回る、というキャラですが、一度追い詰められてからの逆転劇で勝つパターンが定番のため、ヘビー級ボクサーと打ち合いした後に1dayトーナメント出場とかタフネスどうなってんの?みたいなツッコミを2chで入れられがち(格闘モノの主人公キャラあるあるですが)。そこらへんの整合性も踏まえて、『俺』はサンドバッグ性能高めのタフネス・キャラに造形にした面もあります。

 あと部位鍛錬の空手に関しては『餓狼伝』の片岡輝夫がファーストインパクト。


●柔道ボクサー
 モデル:『刃牙シリーズ』モハメド・アライjr+『ホーリーランド』
 独歩たちにボコり返されるまでのアライjrの自然体で人を喰った感じと、『技術を極めれば腕二本で済むのに何をごちゃごちゃやってんの』みたいな実戦ボクシング・スタイルにロマンを感じたので。
 そこに『ホーリーランド』の『路上の柔道はヤベェ』とか、主人公の路上にふらっと現れてどこかへ去っていく感じをプラスしました。
 

●トシ
 モデル:チャド・メンデス+『TOUGUシリーズ』宮沢喜一
 基本イメージはコナー・マクレガーがジョゼ・アルドを秒殺KOする一個前の試合で、負傷欠場したアルドの代役でマクレガーと対戦したチャド・メンデス。
 最後には逆転KOされて負けてしまいましたが、レスラータイプのメンデスがストライカーのマクレガーをテイクダウンし、リングマットが血だらけになるほどパウンド連打を一方的に続けるというのが試合時間の大半で、それがある種の『理不尽さ』のイメージとして残っていました。
 なんとなくキャラ付けでエセ関西弁をプラスしたら、キー坊っぽくなってしまったので、『俺』をジムに拉致する辺りからは、開き直って『根明のまま闇落ちしたバージョン』のつもりで描いています。


●口原
 モデル:伝統派空手+『嘘喰い』立会人。
 堀口恭司の伝統派空手(松濤館流)を現代MMAに適合させたスタイルにロマンを感じ、堀口個人がモデルというよりはまずスタイルありきで作品に登場させました。人物イメージとしては柔道ボクサーが『自然体』、トシが『賑やか』だったので、消去法で『無口』キャラに。
 黒スーツを着た辺りから、特定のモデルはいませんが『嘘喰い』の立会人に混ざってそうなイメージで描いています。


●ユキト
 モデル:ローリー・マクドナルド+ジョン・ジョーンズ+井上直樹
 元UFCウェルター級チャンピオン、ロビー・ローラーと戦った『カナディアン・サイコ』ことローリー・マクドナルドがベース・モデル。
 MMAの黎明期から活躍し、元キックボクサーがテイクダウン・ディフェンスを身に着けてMMAにチューニングしたいわゆる『旧型』チャンピオンのローラーに対して、マクドナルドは技術がある程度確立された後からMMAを始めた『新型』世代。試合はマクドナルドがローラーを追い詰める場面もあったけど、最後は根性比べの殴り合いでマクドナルドの鼻が折れ、戦意喪失によるローラーのKO勝利で終わりました。(チャド・メンデスのときもですが、自分の中で心に残っているUFCの試合ってなぜか勝者よりも敗者のほうが印象に残っています)。
 手足の長いヒョロっとした体型と、ひねくれてそうな目つきの悪さがユキトのイメージです。
 その他、YOUTUBEで技術を格闘勉強したというUFC2階級王者ジョン・ジョーンズや(『俺』とジムで再開したとき足に触れて注意を逸らすフェイントはジョーンズが元ネタ)、テクニカルなアウトボクシング技術を持つオールラウンダーのRIZINバンタム級王者・井上直樹なども随所に入っています。

     

イメージ・ソング

  自分の作品が映像化したときのOP/EDやキャラクターごとのイメージソングをつけてるタイプの痛い素人作家です。

●オープニング曲『Antidote』Story of the year

 00年代っぽいエモ系ロック。激しい曲調もだけど、歌詞の内容が主人公『俺』のメンタリティを思わせるので。 曲名は『解毒剤』や『防衛手段』という意味です。
 ちなみにサビのフレーズ『All we need is a reason, All we need is right here inside us all 』の『reason』はネット上の和訳ではほぼ『理由』と翻訳されているけれど、恐らく正しい意味は『理性』(あるいはどっちとも取れるダブルミーニング)。
 チャップリンの『独裁者』の最後の演説でも『 a world of reason』で『理性ある世界』というフレーズがあり、PVでは戦争や環境汚染などの映像が断片的にカットインされるので、それを踏まえると本来は『俺達(人類)はこの世界を崩壊に向かわせているけれど、それを止めるのに必要なものは俺達自身の中にあるはずだ』というSDGsの走りみたいなメッセージ・ソングと思われます。
 己を破滅させるほど強い殺意をコントロールし力に変えるのは理性、というような表面的な激しさとは真逆の本質が『格闘衝動』でも描きたいことです。

 
●エンディング曲『リボルバー』ハヌマーン

 この前大麻で逮捕されたけど無事出所したらしい不遇の天才・山田亮一が昔やってたバンドの名曲。 曲のイメージとしてはジジイ、あるいはユキトやおっさん視点で『俺』を呆れながら見ている感じ。


●キャラクターごとのイメージソング

 いくつかのキャラクターにBUMP OF CHIKENの楽曲を当てはめています。主に00年代の曲中心。
 各キャラクターに少年漫画的な主人公性や共感を持たせるための軸みたいなもので、それにバイオレンスで肉付けして(見えなくして)いく感じ。あえて歌詞を誤解・誤読したイメージソング。
 
『俺』/『sailing day』
 『たった一秒生きるためにいつだって命がけ当たり前だ』という素面で計算狂ってる感じとか、『嵐の中嬉しそうに帆を張った愚かなドリーマー』とか。
 
市ヶ谷/『ロストマン』
 『君を失ったこの世界』の『君』が『父親=最強』。負けた後の大間違いを突きつけられたのに懲りない感じの歌詞とのリンクとか。
『忘れたのは温もりさ 少しづつ冷えていった』 をチョークで相手を殺して、だんだん冷たくなっていくことの暗喩と考えると、とんだサイコソングに聴こえてくる。

ユキト/『才悩人応援歌』
 等身大のクリリンソングと、本作のクリリンポジションのユキトで。絶対早死にする『俺』に対して『隣人は立派 将来有望才能人』とか最高の皮肉を吐きそうな感じが。
 ユキトが一番元の意味でのBUMPに近いキャラクターなので、その他にもモチーフにしている楽曲があります。ネタバレっぽくなるのでそのうち。

あとバンプの『カルマ』を『喧嘩稼業』の佐川兄弟のイメージソングと考えると一致しすぎてイカレ曲に聞こえるので、ちょーコワイ。『ガラス玉』とか『記憶を疑う前に記憶に疑われてる』とか。

       

表紙

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