Neetel Inside 文芸新都
表紙

まほうつかい おんな レベル1
○月×日 天野邪子

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「そういえばさ、最近私がおばさんって呼んでも訂正しないね」
「あなた何度言っても聞かないじゃないの」
「それはそうなんだけど」
「もういいわよ、好きにしてちょうだい」
「簡単に諦めなちゃダメだよ、ルイーダお姉ちゃん」
「……あまのじゃくな子」
「なに、アマノジャクって? 亜麻色の髪のジャック・バウアー?」
「違う。根本的に違う」
「じゃあ……あ! 今日。ハロウィン。ハロウィンだ。トリート or トリート!」
「とんだお菓子強盗ね」
「だって、おばさん相手にイタズラとか、そんな爆弾岩相手にたいまつで戦うみたいな綱渡り出来るわけ無いもん」
「そうね、お給料が減るくらいは、覚悟して欲しいわ」
「やっぱり」
「あなたに好き放題やらせたら町中が大混乱だもの」
「まるで人を歩くメダパニーマみたいに……」
「変な真似したら減給100%」
「ゼロじゃん」
「ゼロよ。ほら、そっちに座りなさい」
「え、なに」
「お菓子が食べたいんでしょ。ケーキでも焼いてあげるわ」
「ホント!? やったー。じゃあ私チー……」
「チーズケーキ、甘めの」
「えへへ。おばさん大好きー」
「おねえさんよ」


「あ。あまつさえ私の親友にまで手を出そうというのジャック! かな?」
「違う。何一つあってない。……ジャック悪い男」
「ね。さいてーだよね。正解は?」
「甘えん坊のまほうつかい、弱点は甘いもの」
「わ。当たってる」

       

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