Neetel Inside 文芸新都
表紙

まほうつかい おんな レベル1
○月×日 逆R−18

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「おつかれさま、今日はもうあがって良いわよ」
「はーい」

 ふー、働いた働いた。本日も 『ルイーダの手先』 のお仕事、終了です。大変お疲れ様でした。

「それと、今朝も言ったけど明日は店お休みするから。あなたも一日ゆっくりしなさい」
「うん。でも良いのかなー? ここまがりなりにもルイーダの店だよ。勝手に休業日とかにしちゃってまずくない? 色々と」
「どうしても外せない用事があるのよ」

 この人、世界の現状分かってるのかな。ここもいつモンスターに襲われるとも知れないのに。それともバラモスも週休二日制だったりするんでしょうか。

「代わりに店番出来る人もいないし、仕方ないじゃない」
「いるじゃん。今。目の前に。おばさんが手塩に掛けて育てた有能で頼れる看板娘が!」
「まだこの店を潰すつもりはないわ」

 む……。ならば。論より証拠です。見せてやりましょう、私のこの溢れんばかりの商才を。

「ここは ルイーダのみせ。たびびとたちが なかまをもとめて あつまる であいと わかれの さかばよ。なにを おのぞみかしら?」
「何よ、急に」
「おばさんの物まね。どう、そっくりでしょ」
「色気が足りない」

 むむ……。ならばならば。

「ここは ぶきと ぼうぐのみせだ。なにを かうかね?
 ――まほうのビキニ だね。どうも ありがとう。だれが もつかね?
 ――ルイーダ は これを そうびできないが いいかね?」
「……どうして装備できないのかしら?」
「年齢制限」
「そう。この武器屋は喧嘩まで売ってるのね」
「ま、待って。ジャストキディング。軽いブラックジョークだから、お願い、その振り上げた拳は下ろして」

 ふぅ。危うく 『たたかう』 されるところでした。

「とにかく。あなたに任せるわけにはいかないわ」
「ちぇっ。ダメかぁ」
「家でおとなしくしてなさいな」
「あれ、そう言えば明日って何の用事?」
「隣のレーベ村でね、友達の結婚式があるの。出席しないわけにいかないでしょう?」

 友達……結婚……。
 私は思わずおばさんの顔をじっと見つめてしまいました。
 お友達はハッピーウェディング。おばさんはオンリーロンリー。おお、なんと物悲しい情景か……。

「大丈夫だよ! たとえずっとバージンロードを歩けないまま孤独な老後を迎えたとしても、私はおばさんを山に捨てたりしないから!」

 ルイーダのこうげき
 つうこんのいちげき!

 べちっ

 デコピン。

       

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