その1
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=25124&story=3
なまはげの王となって三年経った。二食のまずい飯と、なまはげにちんちんを弄ばれる毎日だった。ある日「王よ。この飯はまずくないのか?」となまはげの一人に聞かれた。素直に「まずい。我慢して食べておる」と答えた。次の日からさらにまずくなった上に量を減らされた。
ある時、ハロウィン軍団がなまはげの国に攻め込んできた。辺境のなまはげたちが虐殺されたという報が届く。
「王よ。どうにかしてください」
ものすごくアバウトに懇願された。幼い頃になまはげを見てちんちんを大きくしたあの瞬間から、僕はこのような運命にあったのだと最近は思うようになった。
「倒すのか。従えるのか。追い出すのか」僕は具体性を求めた。
「どうにかするのです」なまはげの代表は相変わらず適当なことを言った。料理の味もきっとこいつが決めているのだ。
なんやかんややってどうにかした。
「さすがです。王よ」その日だけは飯が少し豪華になった。ちんちんも優しく弄ばれた。
「故郷に帰りたくはないのですか、王よ」
なんかこいつら僕のちんちんに飽きてきたっぽいな。そんな雰囲気がなまはげの言葉の端々から感じられるようになった。
「帰る理由など、ないのだよ」元いた世界には、僕の居場所なんてなかったのだ。
そんなわけで僕はまだなまはげの王として君臨している。たまにやってくる侵略者たちを撃退する時以外は、雑に扱われている。僕以外の新参の王も現れるが、大抵一週間も耐え切れずに元の世界に帰っていく。
僕は理想的な世界で今日もまずい飯を食べ、ちんちんをいじられて過ごしている。