闘争によって神域に達してしまった者達がいる。
天賦の才をあるものは正道にて、あるものは左道に染まってまで磨き上げた末、神に伍する
力を得た超越者だ。
壮絶な最後を終えることが多い彼らの、その死後は常に決まっている。
彼らは戦乙女に連れられてヴァルハラに行き、死なぬ体で永劫の殺し合いに参加させられる
運命にある。
目的はただ一つ。世界の最後、ラグナロクに備えて、最強の軍団を作るために。
しかし私には――その絢爛に飾った勇壮たる文句とは裏腹に――、やっている事の執拗さと
残虐性から、神の軍団を作るためと偽証した神そのものの、ヒトが『達した』武技の美しさに
対する、燃え盛るほどの嫉妬だとしか思えないのだが、これはいくらか、ヒトという種族に、
自信を持ちすぎている意見であろうか。