Neetel Inside 文芸新都
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俺の考えてることを童話にしてみた
タイムカプセル

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 「ねぇ、タイムカプセルを埋めようよ」
 教室の一隅で、僕の同級生の鈴木が唐突にこういった。
 今は小学生六年生の一学期の終業式、もうすこしで夏休みだ。
 「うん。いいよ」
 僕はもちろん、いいよと返事をした。
 「じゃぁ、午後二時に裏山の一本杉の前で待ち合わせだよ。大切な物を持ってきてね」
 「うん、わかった」
 タイムカプセルに何を入れようか。迷うな。
 僕の持っている中で一番強いカードのブルーアイズアルティメットドラゴン!!すごいぞー!つよいぞー!
 いや、でもマスターオブOZの方が強いな。召還もしやすいし。
 怪獣人形だ!!
 駄目だ、俺の持っている怪獣人形にはナメゴンしかない。ナメゴン20体ほどある。保存用観賞用普及用、タイムマシンに入れても思い出になりそうにもない。
 一番大好きな漫画でも入れようか。
 無理だ、1巻から8263巻まであるブリーチが入りきらない。しかも、今なお連載してる。まだまだ増えるだろう。ところで、いつになったら織姫救われるのだろうか?
 モグラじゃなくてモグタンだ!!
 違う、意味がわからなさすぎる。というか、元ネタ知っている人少ないだろうな。

 そんなこんなをあれこれと考えているうちに家にたどりついた。
 午後二時までには時間がある。帰ってきたのは午前十一時だったので考える時間は多いといえば多いし、少ないといえば少ない。
 とりあえず、お母さんに昼飯を作ってもらおう。
 ピッツァか・・・・・・でも、腐るだろうな。タイムカプセルに入れたら。

 結局何も考えることができなかった。
 もうそろそろ午後二時だ、一本杉の前に行こう。
 


 十年後
 僕は一本杉の前に来た。
 十年前にタイムカプセルを埋めた場所だ。
 僕の同級生の鈴木と一緒に開けることになっている。
 僕は鈴木と一緒にスコップでタイムカプセルを掘り出す。どれくらい深く埋めたのだろうか。思ったより深く埋めすぎたらしい。
 ようやく、タイムカプセルと思える箱を掘り出した。
 「じゃぁ、開けるよ」
 タイムカプセルを鈴木と一緒に開けた。そこにいるのは同級生の鈴木だ。
 僕の一番大好きで、大切な鈴木ちゃんの頭だ。クリスマスに鈴木ちゃんから貰った手袋は今日も手に身につけている。
 手袋になった鈴木ちゃんと一緒に鈴木ちゃんの頭部を握り締める。
 十年前の初恋の思い出が蘇る。
 これを持ち帰って、宝にしよう。









 蛇足
「ねぇねぇ、おねえさん。このタイムカプセルを埋めた日はどんなことがあったのかな?じゃぁお姉さん!この人がタイムカプセルを埋めたところを見に行かないっ?」
「グルグルパピンチョパペッピポ~ヒヤヒヤドキッチョナの~っ!モ~グタンッ!」

       

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