オレは今、大変な事になっている。
内股でヒョコヒョコと歩きながら、手を尻にあて、
オカマ以上にクネクネした動きで学校内を彷徨っている。
それも今は昼休みであり、オレの姿を見たヤンキーどもは、
「なんだあれ」
「きめえ」
などと、オレを言葉のナイフで刺しまくっていた。
そして健全な男子学生ですら、クスクスと笑い出し、
女子生徒に至っては、嫌悪の顔すら見せている。
しかしオレは!強がりでは無い!この行動、ある目的の為なのだ!
オレは「毒霧痔」なのだ!毒霧?痔?何言ってんだコイツと思うだろう。
しかしこれはナウい………いや、最近になって発見された現代病で、
原因も解決法も、そして予防策もわからない、不治の病なのだ。
症状は他の痔の様に尻に痛みが発するという事が挙げられるが、
この病気の最大の特徴は、何より屁をした時に血の霧が半端なく破壊散布する事である。
文字通り半端無い破壊範囲だ。万が一オレがこの場で放屁をしてしまったならば、
インデペンデスデイの光線の如く、オレの背後に続く校舎半分は間違いなく吹っ飛ぶ。
その距離およそ100m………オレは実際に無人の草原で図った事があるが、
風の影響などがあっても、記録が50mを下る事はまずない。
とにかく圧倒的かつ絶対的な、でんじろう先生もビックリな風圧砲なのだ。
そしてその破壊力だけで無く、臭いもまさに酷いとかってレベルでは無い。
血と糞の臭いが混ざり合い、さらに熟成させ、そこに柔らかい酸味を加えた香り、
簡単に言えば、動物園のあの獣臭さにボットン便所の便臭、そしてヨーグルトを加え、
それをグツグツと煮込みながら七日七晩、そしてできあがるレベルなのだ。
オレはこの毒霧痔になってからというもの、オナラをしない様に奮闘してきた。
大好物のサツマイモを辞め、炭酸飲料は飲まず、運動も極力控え、
学校に居る間は便を止めるクスリを飲んで人為的に便秘を誘発する。
しかし今日、あろうことか、オレはその大事なクスリを忘れてしまった。
言い訳が言えるならば、昨夜、夜遅くにマーズアタックのビデオを見てたからだと言いたい。
しかし現在進行形で、胃から腸へと赤い鮮血を纏った空気達は軍隊の如く元気一杯に行進し、
肛門の固い守りを打ち砕こうと目論んでいる。文句や言い訳を言っている暇は無い。
放屁してしまえば、俺は、俺達の街は一巻の終わりなのだ。
「ねえ、あれって二組の………何してんの?」
「あんまり目を合わせない方が良いんじゃないの?きもいし」
「うわあ」
「あれってう○こ我慢してるのかな………」
だから………だから今のこの様な情けない外見を悲しんでいる暇はないのだ!
俺は男だ!男は内面!何か違う気がするが、とにかく、内面を頑張るのだ!
オレとティンコ
血化粧放屁痔(連載中)
ようやく学校の校門を抜け出し、周囲の絶対零度視線に何とか耐えながら、
オレは家までの帰路を残り半分としていた。今必要なのはクスリである。
学校を無断早退とか、どう見ても変質者とか、近所付き合い終了とか、
そんな事はどうでも良いのである。街が終了してしまうのである。
「あと100mぐらい………後少しだ………っんんああああああ!」
数える程にまで縮めた距離を、一歩一歩と確実に踏みしめていた時だった。
オレの家がボンヤリと遠くに見えていたその時だった。
突如後方から、オレの尻穴に向かって何かが突撃したのだ。
それは何なのか………?一瞬、完全に真っ白に染まってしまったオレの思考は、
少しずつ色づき出し、ようやく、その答えをその声と共に思い出す。
「よお!何ケツをヒョコヒョコさせながら歩いてんだよ!」
「ま、松村………くん………あんっ!やっ!」
松村くんの浣腸だ!オレの頭の中の頭脳連合は一斉に答えを出した。
彼はクラスの不登校児だ………といっても、苛められてたとかでは無く、
あまりの馬鹿ヤンキー具合に誰もが愛想をつかして無視されていたらだが。
今みたいに浣腸をしたり、スカートをめくったり、黒板消しトラップをやったり、
体は高校生、頭脳は小学生みたいな、どっかの探偵みたいな奴なのだ………。
「ままままま松村くん………!そ、その指を!」
「どうした?まさか気持ちいのかよ!はははははは!」
き、気持ちいじゃなくて!もし指を抜いたら、おまえの肉体が四散するんだよ!
………いや、こいつにその事を言って理解できるのだろうか?
図工の時間、ノコギリで自分の足を危うく切り落としかけた様な奴だ。
万が一ではあるが、最悪、日本語を理解していないという危険性もある。
こ、ここは必然的かつ、近所の野良犬でも解りやすく、言わなければ………。
間違いなく、指を抜いてしまえば、街の破滅なのだから。
「ま、松村くん!指を抜かないで!」
「へ?なんで?」
「あ、あのね、オレの家までね、指をケツに入れたまま行くの。
面白そうでしょ!ね?ね?」
「………」
さ、流石に突拍子無さすぎたか………?
「おもしれえ!それ!まじおもしれえ!」
………馬鹿で良かった。
オレは家までの帰路を残り半分としていた。今必要なのはクスリである。
学校を無断早退とか、どう見ても変質者とか、近所付き合い終了とか、
そんな事はどうでも良いのである。街が終了してしまうのである。
「あと100mぐらい………後少しだ………っんんああああああ!」
数える程にまで縮めた距離を、一歩一歩と確実に踏みしめていた時だった。
オレの家がボンヤリと遠くに見えていたその時だった。
突如後方から、オレの尻穴に向かって何かが突撃したのだ。
それは何なのか………?一瞬、完全に真っ白に染まってしまったオレの思考は、
少しずつ色づき出し、ようやく、その答えをその声と共に思い出す。
「よお!何ケツをヒョコヒョコさせながら歩いてんだよ!」
「ま、松村………くん………あんっ!やっ!」
松村くんの浣腸だ!オレの頭の中の頭脳連合は一斉に答えを出した。
彼はクラスの不登校児だ………といっても、苛められてたとかでは無く、
あまりの馬鹿ヤンキー具合に誰もが愛想をつかして無視されていたらだが。
今みたいに浣腸をしたり、スカートをめくったり、黒板消しトラップをやったり、
体は高校生、頭脳は小学生みたいな、どっかの探偵みたいな奴なのだ………。
「ままままま松村くん………!そ、その指を!」
「どうした?まさか気持ちいのかよ!はははははは!」
き、気持ちいじゃなくて!もし指を抜いたら、おまえの肉体が四散するんだよ!
………いや、こいつにその事を言って理解できるのだろうか?
図工の時間、ノコギリで自分の足を危うく切り落としかけた様な奴だ。
万が一ではあるが、最悪、日本語を理解していないという危険性もある。
こ、ここは必然的かつ、近所の野良犬でも解りやすく、言わなければ………。
間違いなく、指を抜いてしまえば、街の破滅なのだから。
「ま、松村くん!指を抜かないで!」
「へ?なんで?」
「あ、あのね、オレの家までね、指をケツに入れたまま行くの。
面白そうでしょ!ね?ね?」
「………」
さ、流石に突拍子無さすぎたか………?
「おもしれえ!それ!まじおもしれえ!」
………馬鹿で良かった。