Neetel Inside 文芸新都
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ロリコンリロード
ロリとの遭遇(3)

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昼食を終え、端末でニュースや天気を見終えると、あらかたやる事は終わってしまた。
シガーガムを噛みながら何か無いかと考えるが、今日起こった事と言えばそれぐらいしかなかったので、
今朝チェンと話していた『草薙』の事を思い出した。

「………ロリコン………か………」

去年の裏データの押収騒ぎで、内容の確認を手伝わされた時だったろうか。
俺にとってはかなり久しぶりと言える重青年犯罪課らしい仕事だったが、
出世欲も勤勉さも無い俺は、どうせ流し見するつもりでいた。
しかしそれは、海を行く黒い肌をした少女だった。青赤黄の三人組の女の子だった。
焼き鳥屋の娘であったり、あるいは奇抜な服装をした防衛杖を持った少女だった。
そう、少女達は、皆すべからく、俺を素晴らしい世界へと導いてくれたのだ。
俺は初めて見た動く絵に感動してしまった。思わず興奮してしまった。
十代の頃だって挙げなかった様な素っ頓狂な声を挙げながら目を見開かせた。
人生は、俺のモノクロの人生は、簡単に絵の具で塗りたくられてしまった。
今まで感じた事の無い様な高揚感が体中を駆け巡ったのだ。

気づくと俺はロリコンになっていた。

裏の流通ルートなんかは簡単に調べられた、なんたって重青年犯罪課の課長だ。
なけなしの月給からローンを組んでVHSデッキやブラウン管テレビを買い、
古典機械オタクの情報サイトで何度も確認しながらVHSの環境を整えた。
捜査でも足のつかない狡猾な裏VHSショップを探し出し、信用して貰える様に金も払った。
それから毎月の様に給料が出るとVHSを買い漁った。

「………」

端末のキーボードで『ロリコン』と文字を打ち、検索してみる。
宙に浮いた半透明の画面映像には、凶悪犯のニュースが多く浮かんでくた。
殺人、強姦、薬物、強盗、やってないのは無いという程の凶悪事件が並ぶ。
彼等は一ヶ月から一年ほどの期間で発症し、凶悪事件を起こすのが殆どだ。
いつなのだろうか?いつ発症するのか?俺はこいつらの様に凶悪犯になってしまうのか?
まだ正常な判断はできていると思う。こんな凶悪事件を起こそうという気は一切無い。
しかしそれでも、道徳と不道徳を理解する事すら不可能になり、多くの幸せをブチ壊してしまうのか?
言いえもしない恐怖と不安と、そうじゃないと強く願う反抗とでも言える様な気分が混ざっていく。
とてもじゃないがその気分を分けたり汲み取ったりは出来なさそうだった。

       

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