Neetel Inside 文芸新都
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ぽに☆すた
<文化祭編>第3時間目〜談笑〜

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教室のあちこちから三者三様の反応が一通りあった後、綾香はクラスを見回しながらある紙を手に取る。
なにやらかなり分厚そうで、力の入れ様が手に取るように分かる。

「他の人の配役も、台本もこれに書いてあります。配りますので目を通してください」

詰まることなくさらりと言い通すと、器用に各列に配り始めた。
先生も目を丸くしながら見守っているしかない。
私の元に回ってきたそれは、一人分にしては結構分厚いものだった。
表紙にはご丁寧に題名が大きく記されていた。

「では、質問をお受けします。意見がある方は挙手お願いします」

いつもの綾香ではない綾香がそこには立っていた。私が知らない彼女の一面なのだろうか。
日ごろのふざけ具合からは想像もつかないほど、今はしっかりしている。
綾香は1分ぐらい間を取った後、口元に笑顔を戻してやわらかい表情になった。

「文化祭はあと1ヵ月後です。1回1回の練習を大切にして頑張りましょう」

生徒会長も驚きなまともな発言をした後、先生に一礼し自分の席へと戻っていった。
先生は今だ固まったままであり、チャイムが鳴ることによって我を取り戻したらしい。

「じゃあ、月宮さんが配った台本を各自よく読むこと。1回目の練習は明日の5時間目です」


「あー変に疲れちゃったよぉ」

終礼前、私が帰る用意をしていたら綾香がひょっこり現れた。
言葉とは裏腹にあまり疲れていないような表情をしている。
こういう時は、何か話をしたい時だって分かっている。これも長年の付き合いの賜物だろう。
私もいじわるじゃないから、綾香に先の言葉を促すためにそっけなく切り出した。

「で、話は何?」

少し驚いたような顔をしたと思えば、すぐにほっとしたため息をつき、いつもの顔に戻った。

「ごめんね~勝手に主役にしちゃって」
「わざわざそんなことで謝らないで。推薦してくれた貴方が恥ずかしくないように、私なりに精一杯頑張るわ」
「うん、それでこそ瑠奈だよ」
「こらっ、調子がいいぞ」

どこからとも無く笑いがこみ上げてきて、私たちは笑いあった。
私は久しぶりに声に出して、心の底から笑った気がした。

       

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