Neetel Inside 文芸新都
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唯、霧中の宝石を掴みたいと思った
わたしのノート

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かきかき、かきかき。
わたしのだいじなだいじなノート。
たのしかったことをかいていく。
だけどだれかがイタズラをして、つよいちからでいやなことをかいていく。
それをみるたびに、わたしはなんだか、いやになる。
けしごむでこすっても、ノートのかみにはあとがのこってる。

わたしのだいじなだいじなノート。
たいせつなことをかいていく。
だけどだれかがイタズラをして、つよいちからでいらないことをかいていく。
それをみるたびに、わたしはなんだか、きらいになる。
けしごむでこすっても、ノートのかみにはあとがのこって。

わたしのだいじなだいじなノート。
けして、けして、いまでは、かみがぼろぼろ。
なにもかきたくなくなっちゃった。

わたしのだいじなだいじなノート。
どんなことでもかいてない。
そしたらだれかがイタズラをして、ノートをめくっていっちゃった。
ぼろぼろだったかみのしたには、きれいなしたじきと、まっさらなしろいかみがあった。

わたしのだいじなだいじなノート。
いろんなことをかいていく。
だれかがイタズラしても、わたしのノートはまだまだたくさんあるからだいじょうぶ。


だけどときどきみつけるの、
わたしのじゃない、だれかのノートが、ばらばらにきれたり、もやされたり、つちにつきささっているのを。
それをみるたびわたしはおもう。
わたしのノートはだいじにしなくちゃ。

       

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