Neetel Inside 文芸新都
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九月六日(WED)午前三時十六分〜九月六日(WED)午前九時三〇分

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三日目

九月六日(WED)午前三時十六分

 ――あ。
「…今……」
 俺は、起き抜けで霞む目を擦りながら、ベッドの棚の二番目に置いておいた携帯を開いた。
「…三時かぁ」
 都子にメールは送った。俺は、友達の家に泊まっていることになっている。
 嘘も方便。
 ここは、安いラブホテル。
 隣には、一糸纏わぬ姿の麻子が、穏かな寝息を立てている。
 起き上がったとき毛布がずれて、麻子の豊満で、柔らかな胸が露わになっていた。
 この胸に包みこまれている時が、今の俺にとって一番幸福で濃密な時間かもしれない。
「…………」
 理屈は、飛んで行く。
 この、男を捕らえて放さない二つの塊の前には、そんなものは無力だ。
 俺は、麻子に顔を埋めた。
 そして、背中に左腕を潜り込ませ、右腕を後頭部に回した。
 起きる気配は、まだない。
 そういや、こいつ、家は大丈夫なんだろうか。
 泊まりは、確か今日が初めてだ。親とか――
 ――まぁ、どうでもいいかそんなこたぁ。
 それより、今の問題は。
 …アレが。
「んー……」
 胸の谷間で、俺は僅かの時間思考を巡らせた。
 今挿れるべきか、起きるまで、許可を取るまで待つべきか――
 麻子の眠りは深い。
 挿れても、起きなかったりして。
 いや、起きないでしょう。
 起きないに違いない。
 てか、起きても構わねぇ。
 俺は、結論を出した。
 麻子の両の太股を広げ、現れたそれをまじまじと見つめる。結構綺麗目だ。
 何時間か前までは、ここが凄まじく濡れていて、俺のモノがそれを潤滑油に、麻子の最深部にま
で踏み込んで行った。
 今は、乾いてる。
 挿れたいけど、このままだと色々と差し障りがあるかな。
 俺は、名残惜しく麻子の胸から顔を離し、そのまま下の口に移行させた。
 まず、そこに鼻息を掛けてみる。
 ぴくりと、麻子の体が動く。
 構わず、舌を密着させ、小刻みに突く。
 麻子は、なかなか起きない割には、かなり感じやすい。
 これを数分も続ければ、じわりと奥が濡れてくるはずだ。
 そうなれば、もう挿れても大丈夫。
 舌を動かし続けながらも、俺は手を伸ばして引き出しを開ける。コンドーム、コンドーム。
 あ、でも。
 さっきは使わなかったじゃん。
 じゃあいいや。いらね。
 さっき使わず今度は使うって、首尾一貫してなくて良くないよな。
「…………」
 指を挿れると、大分いい具合に濡れてきている。もういいかも――
「…なぁに……?」
 ――麻子、起きた?
「えー……とぉ……おはよう」
「……あたし……しながら寝てたの……?」
「…うん、そう」
「……ふぅん……ごめ、ねむ……」
「…………」
 寝た?
「まぁ、いいや」
 俺は、麻子の肩ら辺に手を突き、ペニスの先端を膣口に宛がった。
「やっちゃえ」
 挿れた。

九月六日(WED)午前九時三〇分

 今日は学校を華麗にスルーすることにした。
 寝たままの麻子として、それからまた寝たら九時過ぎだったからだ。
 麻子はいなくなってた。案外酷いな。
 まぁ、起したくないと思ったんだろうし、今日は金はあいつ持ちだったし、担任には休む旨を伝
えてくれてるだろうし(同じクラスだとこういうのが助かる)、いいけど。
 帰ったらまた寝よー……

 玄関の前に立つ。
 誰もいないだろうな。
 ドアノブに手を掛けると、開いた。
 鍵が掛かってないなんて、不用心な。
 中には、人の気配はなかった。当たり前だけど。
 あったら怖い。
 それは多分、家族じゃないから。
 空き巣とかだったら、もし、ナイフとか持ってたら――
 ――とても立ち向かえる自信がない。
 気絶した振りをするだろうな。
 そう思いながら、少し慎重に、居間に入る。
 ここにも、気配は無い。
 俺は溜息を一つついて、冷蔵庫を開け――
「お帰り」
 ――!
「お兄ちゃん」
 ――なんで、お前が家にいんだよ?
「…なんで」
「生理二日目はいつも休むじゃない」
 知らねぇよそんなことは。
「…オカズあっためてあげる」
 都子はそう言って、洗い場近くに置いてあったラップ掛けの皿を手に取った。
「…ありがと」
 俺は、都子の背中越しに、食器置き場にあるお碗を取ろうとした。
 その時、都子の体がビクンとなった。
「どうした?」
「…なんでもない」
 都子は体を回して、レンジに皿を入れ、スイッチを押した。
 少し、血の臭いがした気がした。
 生理だから? でも、普通臭いなんて表に出ないはずだけどな。
 体の露わになってる部分に、血がついてるとか?
 まあ、この際そんなことはどうでも。
 俺は、くだらない考えを葬り去って、お碗に御飯をよそった。盛りはそれ程ではない。
 レンジの方は、もう暫く掛かりそうだ。
 俺は身を翻して、テーブルに御飯を持っていこうとした。
 ――妹が、レンジの中心から全く目を離そうとしないのが、少しだけ気になった。

       

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