ときめきオルガニズム。
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「はあ…倫理のレポート4000字って…おかしいだろこれ」
4000字か…そういえばフェイトのシナリオはその400倍だったっけ。まだまだ先は長いな…
「鈴木はもう終わった?」
「え!…ああ、終わった終わった。図書館で借りた資料の期限まだあるから貸してやろうか?」
「さすが鈴木!!助かるわ~」
こっちはレポートどころではない。書けども書けどもシナリオが完成しないのだ。
シナリオだけならまだしも、後に絵とプログラミングが控えている。まだプログラミングはキリキリというソフトを使えばいい、問題は絵だ。
俗に言う『マンガ絵』というやつか。正直この絵の難しさは尋常ではない、少し試しに描いてみてすぐに諦めた。
やっぱり一人ではエロゲは作れないか…
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「あ、鈴木君!」
「よっす。」
「もう、このあいだの部会、ベースの中川君もサボッタから私1人だったんだよ!?」
「悪い、悪い。で、ライブでやる曲どうなった?」
「えーっと、3曲やらせてもらえることになったから、皆で希望の曲一つずつだね」
「ふーん。えりちゃんはなににすんの?」
「私はまたシャカラビにしようかな」
「中川もどうせまたハイスタかなんかだろ。じゃあおれは…今度はMGEとかにしようかな」
「え―っ!?私ギターむりだよ~」
「あはは、頑張れ☆」
バンドのメンバーの人を好きになっちゃう話はよく聞くけど、私はまさにそれだった。
でも、ドラムの鈴木君には彼女がいるらしい…でも好き。それが私の1つ目の秘密。
2つ目の秘密は…実は漫画を描いているってこと。それも同人誌で…もしこんなことが知れたら皆にどんな目で見られることか!?
そうしたらきっと…きっと鈴木君にも嫌われちゃうよ…