元々友人も少なく、童貞の俺にはクラスでの地位などあってないようなものだ。
しかし女子達は違う。横のつながりが強い人種たちである。
つまりはクラスの面前で告白する場合、俺は振られても別にそんなに痛くないが、振る方は無下に断り辛い。そこをついて押しまくれば、あるいは一人ぐらい俺の告白をOKする女の子が現れるかもしれない。そういう作戦を立て、とりあえず横の女の子に告白してみたのだが。
無言。
無言。
告白した俺も。
告白された女の子も。
他の連中も。
クラス中が無言だ。
いきなり告白イベントなどが起きてしまえば当然の事だろうが、それにしてもこの空気の重さは尋常ではない。
(うっわやべえわこれ。人前で告白とかするもんじゃないぜ……)
俺は手に汗を握って女の子の返事を待った。
誰が知ろう。俺が今世界の命運をかけて戦っているのだ。
神様、そんな俺に御褒美をください。お願いします。
「これだから人間面白いな」
ああ、いや、そういえば神頼みは通用しないんだったな。
何せその神様は、今俺が苦しんでるのを見てケラケラ笑ってるんだもの。