その男は小さいころから物を壊したり、人を傷つけるのが好きな性格だった。
その傾向は成長するほど増していった。
だがいつまでもそんなことをするわけにはいかない。
何しろ世間の目というものがある。それにもう大人なのだ。
下手したら逮捕されかねない。だが男の欲求は高まっていく。
そんな中あるクラブを知った。狩猟クラブという名前のクラブ。
名前からするといい感じのクラブだが実態はひどいものだ。
乱暴な性格のものが集まり、動物をいたぶり殺したり、ものをぶち壊したりする。
男はそのクラブに入った。犯罪を犯すよりはましだろう。最初のうちはよかった。
だが欲求はどんどん高まっていく。男は人を殺したい衝動に駆られていった。
それを少しでも和らげるため友人を作ることにした。
同じような性格奴らなのだ。同じような悩みを持っているだろう。
男は何人かの親しい友人を作れた。その中でも一人の親しい友人がいた。
その友人は女だった。いつしか二人の関係は友人から恋人へと変わっていった。
いつものように女から電話がかかってきた。だが女はいつもとは違うことをしゃべり始めた。
「もうあなたとは別れたいんだけど」
男は驚き説得を始めた。
「なんでだ。俺に悪いところがあったらいってくれ」
だが女は返事をせずに電話を切った。
怒り狂った男は女のマンションへと向かった。ポケットに包丁を入れて。
男は自分の持っている合鍵でドアを開けた。どうやらまだ鍵を変えていないようだ。
そして大声で怒鳴る。
「おいこれはどういうことなんだ。説明してくれ」
女は動じずに答えた。
「別に説明するほどのことじゃないから。要するにあんたに飽きたのよ」
男は怒り狂い女に包丁を突き刺そうとしたその瞬間女はポケットから銃を
取り出し、男に向けてぶっ放した。
そしてこうつぶやいた。
「本当に馬鹿なやつね」