Neetel Inside 文芸新都
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ショートショート集

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 一隻の宇宙船が宇宙空間を進んでいた。この宇宙船の役割は未開の宇宙を進んでいき、惑星や生物などがあったらそれを調査すること。

だがまだ成果はなかった。船員たちは暇そうに宇宙を眺めていた。その中の一人が宇宙空間に何か光るものを見つけた。早速同僚に言う。
「おい。あそこらへんに何か光っているものがないか」
 同僚の目にもその光は映っていた。やがてみなが騒然とし始めたころ謎の通信が入った。
内容はこうだ。
「やあ。皆さん。はじめまして。私はジロン星のものです。驚いたでしょう。この通信は全部自動翻訳されています」
 船長は半信半疑で通信を送り返した。
「我々は地球という星の者だ。伝わっているか」
 少ししてから返事は来た。
「ええ大丈夫です。こうして通信するの
も面倒ですし、直接会って話しましょう」
「ドッキングをするということか」
「ええ。私がそちらに行きましょう」
 ジロン星人の宇宙船はすさまじいスピードで近づいてきた。地球より科学技術が発展しているのだろう。ジロン星人は地球人の宇宙船に乗り込んできた。

 意外にもジロン星人と地球人は似た容姿だった。これによって地球側の警戒感は解けた。
それに宇宙船のスピードをみても相手の方がすごい文明を築いていそうだった。そのため地球人はだんだん下手になっていった。そのうち船員の一人がこう言った。
「ジロン星にぜひ行ってみたいですな」
 それを聞いてジロン星人は残念そうにこう言った。
「私の惑星では数十年前からある病気がはやっているんです。あなた方が私の惑星に来たらその病気がうつってしまうかもしれない。それも普通の病気ではないとても恐ろしい病気なんです。」
 船員たちはみな興味津々。船長が聞いた。
「一体どんな病気なんですか。その病気とは」
 ジロン星人は深刻そうな顔をしてこう答えた。
「本当に恐ろしい病気です。この病気のことを言ったらあなた方は我々を恐れるかもしれない。疎むかもしれない」
 船長はあわててこう言った。
「大丈夫ですよ。病気ですからしょうがありません」
 だがジロン星人は悲痛そうな顔でこう言った。
「そういってもらえるとありがたいですが、どうかこの病気のことを聞いてジロン星人を誤解しないでいただきたい。病気がはやる前はごく普通だったんです。普通の人があんな状態になるなんて私もはじめは信じられなかった」
 船長はせかすように言った。
「我々地球人はそんな誤解などしません。どうか早く言ってください」
 それを聞いてジロン星人は息を深く吸ってこう言い出した。
「私の星ではやっている恐ろしい病気とはですね」
「病気とは」
 ジロン星人は悲しそうにこう言った。
「信じられないことだと思いますが感染した人は嘘をついたり、物を盗んだり、人を傷つけたりします。私の言ったことが理解できたでしょうか。ああ、こんな恐ろしい病がはやるなんて……」 

       

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