Neetel Inside 文芸新都
表紙

明日のお話
ひとり無性

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 いつもの帰り道を、いつもと同じように歩いていた。それは、憂鬱。それでいて、退屈なことだった。いつもと同じ、ではないことを最近はしていなかった。しいていうなら、昼間のバイトをまた変えたことくらいだ。だけどこれも、いつもと同じの出来事でしかない。
 僕は今、東京の目黒区でバイトしている。バイトを変えたのは、これで12回目。全然いつもと違くない。電車の降りる駅が2つ替わっただけ。
東京に出てきて最初のバイトは、住み込みの新聞配達だった。
東京駅に着いて、まずバイト情報雑誌で住み込みのバイトを探した。面接、なし。履歴書が書ければ採用。オーナーおっさんは50代後半の頭の禿げた、不気味な人だ。配達から帰ってくる度に、「大丈夫かい?」なんて絡んでくるあたり、気付いているのかもしれない。それでも、住み込みである以上、このバイトは辞める気がしない。朝晩は新聞配達で、昼間は、安さが売りのドン・キホーテ。次のバイトは、マツモトキヨシ。次、はマクドナルド。次はセブンイレブンで、次は・・・・・・・。何だっけ。忘れた。
どのバイトも、2ヶ月を経たずに辞めた。一週間で辞めたことも、ある。飽きっぽい。そんな理由もあるけど、一番の理由が、制服があったこと。いや、制服の所為じゃないか。制服着用、という制度の為だ。
 今やっているバイトは、中目黒の駅前にある、チェーンの喫茶店。
このバイトも、また辞めることになりそうだ。
 僕が上京したのは、今から約一年前。珍しく東京に雪が降っていた年。そんな時に上京した。普通の話だったら、春か、夏かそこらへんだろうが、冬。僕はどうしても家を出なければいけなかった。なぜだと訊かれても、それに応えられる答えはない。
僕自身―――僕が分からないから。

 最後の家の新聞をポストに入れて、ふう、と一呼吸おいた。しばらくして首に巻いたタオルで汗を拭いて、軍手を籠に放り込んで軽くなった自転車を押し出した。
配達後の帰り道は、良い。秋になり幾分か風が冷たくなった所為もあるだろう。風が仕事の汗を拭うように、体に纏わりついては吹き抜ける。この瞬間だけは、仕事の疲れも感じない。仕事にも時間にも縛られることなく、何にも邪魔されず自由を過ごせる。この一日一回の自由がもうすぐ終わる事を考えながら、また自由に浸った。
公園の時計台を見ると、時刻十六時三十分手前くらい。
もう、終わるみたいだ。
 最後の長い坂を上りきって、すぐ右側の路地の一番奥、どこにでもあるような雑居ビル。玄関のすぐ脇に置いてある2台の自転車の横に自分の自転車を止めて、カギをかける。重たい鉄製のドアを全身の体重をかけて開いた。
「やあ」
薄暗いコンクリートの床・天井・壁の辛気臭い通路から聞こえる声は続いた。
「今日は遅かったねえ。早くお夕ご飯食べないとだめだろ。うん?」不気味なおっさん。僕のオーナーは、通路の脇に、学校で使われているような机と椅子に座って僕に笑いかけていた。
「あ・・・はい。ごめんなさい」
「ごめんで済むかなあ・・・。それって反則だよねえ・・・。」ぐぐぐっ、とくぐもった奇妙な笑い声をあげながら、ねえ?とまた笑いかける。適当に愛想笑いをして、「それじゃあ、失礼します」と小さな声で言って、奥へと通り過ぎた。
 2階。窓際。日当たりは悪い。そんな六畳一間が僕の部屋。幾つもぶら下がっている、室内干して臭くなった適当な服を取って着替えた。汗で湿ったスポブラもついでにとっぱらって洗濯籠にぶち込んだ。最後にダウンを羽織って、相変わらずこのクソ重いドアを開いて夜のバイトへ向かう。
 氏名、相原悠。推定年齢21歳。性別♀。彼氏ナシ。持病は過呼吸と性同一性障害―――。ボクッ仔じゃねえよ、バーカ。

     



 僕の考え得る中で一番古い記憶は、父の住んでいるマンションから母と二人で、手をつないで歩いている光景から始まる。
僕の両親は、僕がまだ物心ついて間もない時に離婚した。今となっては離婚した理由は分からないが、母と、母の再婚相手との同居生活でその理由はなんとなく分かった気がする。荒んだ生活の中で、母がどの様なものに悦びを感じ、父を思い、何故僕は母に引き取られたのだろうと考える。
おそらく母は、性行為依存症であった。そして多分、今まで快楽のままに散々膣内射精をしてきて子供が出来なかった筈なのに、父との情事でしっかり受精し、着床してしまったのが、この僕。たまたま子供が出来て仕方なく結婚した夫婦などに未来はないだろう。なんて適当に思ったりもする。
で、まあそんな母と義理の父との同居生活で僕は毎晩アダルトビデオの様な情事の声を隣の部屋から聞かされ、人間的にも性的にも屈折してしまったわけである。そんなわけで、今僕は性同一性障害を人間的に引きずり、同性愛を性的に引きずる生活を強いられているのである。

 夜のバイトなんて仰々しく言ったが、結局はただのサクラだ。人気のない深夜番組の客として入り、笑い、時には驚き、適当に時間を過ごすのだ。ここまでやるかテレビ局。なんてたまに思うが、それに対して出てくるのはため息だけだ。週一回交通費支給で、一万。こんな良いバイトに行かないという手はない。今夜の給料で53万。僕が今までに貯めた金額だ。
 僕には夢がある。これまた仰々しく言ったが、結局はただの願望だ。この体を男にすることはもはや叶わない。だからせめて、ホルモン注射かなにかをしていくらかでも、この中性的な体から男性的な体へと近づけたいと思うのだ。とりあえず、相手は僕を女だと思って抱き、僕は黙って抱かれるというこの状況を打破したいと思うのだが、そう上手くはいかない。
 「じゃ、明日も朝早いんだろうし」
ナオキはそう言って僕の部屋を出て行った。
僕はうずくまる様にふとんの中で膝を抱え、じゃあね、と息だけの声で言った。
月に数回、ナオキは僕の部屋に来る。多い時は週2、3回。彼女はいるらしいが、どうにも体の相性が合わないらしい。彼曰く、フェラだけは上手いらしい。
 今度は少しSっ気混じりにやってやろうかな。なんて考えていた時、ケータイの着信音とバイブレーションでケータイが床を叩く音が聞こえた。ふとんから手だけ出して取り、そのまま耳に当てる。設定した黒電話の音が痛いくらいに主張する。中途半端な静けさだったら、これくらい五月蝿いほうが安心して眠れるのかな。
5回程鳴ってから、携帯を開く。
<着信中 和也>
確認してから通話ボタンを押す。
「もしもし・・・・うん。うん・・・・。いいよ。わかった」
しばらくして、部屋の扉が開く。「よお、ユウ」カズヤがドアからひょっこり顔を覗かせていた。
 依存、という言葉が頭を過る。
カズヤは、今日は生でいいんだろ。なんて確認しながら早速服を脱ぎ始める。
「うん。」この状況はどう言い訳しても依存と言うしかないだろう。

 「お前いい加減わき毛剃れよな」
「メンドくさいじゃん」
「まあ別にいいけど」
カズヤがまたキスをせがむのが嫌でふとんを出る。窓を開けてセッターに火をつけながら床に安座し、机の灰皿を足元へ引き寄せて一度煙草を叩きつける。カズヤもそれに倣い、机に腰掛け赤マルにヘビの描かれた自慢のジッポーで火をつける。渋谷のロフトで高いやつをパクッたらしい。どこらへんが自慢になるのかと思っていたけど、一応感心したふりをしておくのは人との付き合い方というものだ。
 カズヤは僕の口と膣に一回ずつ射精して、「明日早ぇから」と言って煙草を二本吸って帰った。
気のない返事で見送り、僕はそのまま三時間ほど眠った。
 もし、男の体に生まれていたら、こんなにも性に依存することになっていただろうか。
 もし、父と母が離婚しなければ、もし父が引き取ってくれていたら、東京に来ることもなかっただろうか。
 もし、母の娘でいなければ、僕はもう少し真っ当な人間になることが出来たのだろうか。

 愛する人に愛されるなら、僕は自分を愛せるだろうか。
そもそも僕に、人を愛することなんて出来るのだろうか。

     




 「私、死ぬわ」
そう言ってナオコは涙ぐみ、しばらくしてから、大声で泣き叫んだ。
僕が、「なんで死ぬの?」と問いかけると、嘘の様にぴたっと泣き止んで、「生きる意味なんてないの、だから死ぬの。理屈があってないなんて言わせないんだから」
半分は嗚咽で掻き消されながらも、確かにそう言って、また泣き出してしまう。まるでパロディーだなと思って少し微笑し、生きることが仰々しいだなんて、いかにも人間らしい思想だと思い、万物の母になりきって優しくナオコに言った。
「生きている意味なんてものはね、生きている時にはわからないもんなんだよ。死んでから、きっと自分がこれまで生きてきた意味に気づいて、理解するもんなんだよ。わかる?」そう、思う。生きている間なんて、ずっとトンネルの中で悪い空気を吸って、呼吸して、それでも前に進むしかなくて、まるで空気と間違えてH2O、飲む物なはずの水を吸っているんじゃないかって思うほど苦しくて、ただそれでも時間は進んで、進むしかないんだって思いこまなくちゃいけないんだと思う。だってどう足掻いても僕たち人間は人間だし、この口で物を食べて、この眼で物を見て生きていくしかないのだ。僕は、自殺をする者の気持ちがどうしようにもわからない。ナオコが今自分で命を絶とうとしている意味も全くもって、わからない。
 ナオコは半年くらい前に、このH新聞社東支店に住み込みバイトで来た確か19歳くらいの、微妙に似合っていないボブカットがお気に入りの丁寧な日本語を使う―――例えば一、二世代前の貴族の様な話し方をする女性だ。大和撫子、この言葉が良く似合う白くて綺麗な肉体を持つ人物でもある。
 最後にカズヤが僕の部屋に来てから数日経って、元々一週間に一度は二人で飲む仲だったので、今日はナオコと飲もうと思い、ナオコもそれを承諾してナオコの部屋で一時間ほど飲んだ時のことだった。普段ならば缶酎ハイ三、四本でここまで酔うことのなかったナオコが、座っていながらも上体が揺れ始め、目が据わり、明らかに泥酔した様子だった。
「うるさいなあ。そんな哲学的なこと言われても分からないわよ、馬鹿」
「じゃあね。そこらへんに生きている人間が、自分の生きている意味なんて考えながら生きてると思う?生まれたから、生きてる。父と母に肉体を授かったから、今、生きている。それじゃあナオコは駄目なの?」
「それなら生きている意味じゃなくて、人がこれから生きていく意味は、なんなの?」
はっきり言って、うざい。やはり相当酔っているらしかった。もはや生気を感じさせないような目をして、テーブルに肩肘をいてあごを手のひらに乗せた。逆側の手には、しっかりと缶酎ハイが握られている。
「もう、ナオコ酔いすぎだよ。クソ。さっさと寝ちゃえ」
「糞ってなによう、馬鹿」そう言ってそのまま両手をテーブルに当てて突っ伏した。それから呟く様に、細々と、「ユウは、セックスしたいから、生きているって感じよね」と口にして、顔を正面の僕に向けた。
「俺はただの依存だよ。ただチンポ咥えてればいいんだよ」
「やっぱりそうじゃない。ユウはなにかに依存出来て良いわ。それだけで、生きてる、って感じ」
「知らねーよ、知るか」
 沈黙。ナオコは、またテーブルに突っ伏して、なにか考え事をしているのだろうか、真面目な顔を横向きにして酎ハイの缶を凝視している。僕はテーブルの上にある缶ビールを取って、口に近づけてから、やっぱりテーブルに戻す。煙草に火をつけて、部屋のどこを見るでもなく、視線を投げる。
僕が煙草を半分ほど吸ったのち、この沈黙を破ったのはナオコだった。手に持っていた缶酎ハイを一気飲みして、おもむろに僕のもとへ擦り寄ってくる。耳元に顔を近づけて、囁く。「ユウは、男の子じゃないと、嫌?」ナオコは、僕が性行為に依存していることを知っている。もしかしたら、数の多いナオキとは何度か廊下で出くわしたりしているかもしれない。それなのに、なぜだ。
 はっとして、身を少し引きながら、ナオコへ顔を向ける。不意打ちで、キスをされた。
肩に手を当てられて、そのままナオコに押し倒される。
「お願いします。今日は、私の好きにさせて?」
僕の手にある煙草を取り灰皿へと押し付けて、缶ビールを一飲み。唇を押し付けられて、口内へ舌が侵入してくる。唇は男も女も一緒で柔らかいんだなあ、と思いながら、僕はそれを拒むこともなかったが、受け入れることもしなかった。
おそらく五分ほど経ち、唇を離して、乱れた呼吸を整えながら見つめ合う。先程の目と違って、潤いを増したナオコの目は少しとろんとして、僕の目が焼けるほど見つめている。ナオコは僕が吃驚するほどに、キスが下手だった。この子は、きっとこういうことをあんましたことがないんだろうなあ、と少し可愛く思って微笑してから、立派な強姦であるからして、頬を引っぱたいてやった。ナオコが呆然としているところを、何も言わずにケータイと煙草を持って部屋を出て、後悔をした。ナオコに、自分が同性愛だということを伝えるのを忘れていた。
「つーかまさかビアンだったとはなあ」一人ごちて、自分の部屋へと向かう廊下を歩く。「そういえば今までずっと女子校だったって言ってたもんなあ」とまた一人ごちる。「つーか今まで人のことどう思ってたんだよ」また一人ごちる。「嫌々セックスしてと思ってたのかよってのなあ」一人ごちる。「そんなの、卑怯だよなあ」一人ごちる。「なにが卑怯なんだっつのー―――の後は言葉にならなかった。
部屋で一人で煙草をふかしながら、なぜ僕が廊下に一人で泣いたのか考えた。ナオコは、東京で唯一の友達と呼べる人間だった。こちら側からは性的対象外、あっちからしたら同姓で、こんなことになるとは思っていなかった。馬鹿だ。まったく、馬鹿だ。
ケータイが鳴る。
出ると、ギャル男の様な口調の男が部屋の前に着いたと言う。
僕は鍵を開けて、カズヤを出迎えた。
「久しぶり、ユウから誘ってくるなんて珍しいじゃん」
そうだっけ、なんて言いながら背伸びしてカズヤにキスをする。そのまま布団へ直行。
 この温もり、この感触だけが、僕を安定へと導いてくれる。不安になった時の過呼吸だって、セックスすれば落ち着いてくれる。僕は、依存なんかではない。これがなければ生きていけない。支え、なのだ。
 最近、性行為中によく母のことを考える。僕の母は、僕が小学校5年生の時に、統合失調症、と医者に診断された。診察室で「統合失調症・・・」と母が呟いた言葉は、未だに僕の耳に残っている。もしも母が、自分の安定を性行為へ求めたとすれば、僕は母を責めることが出来ないのではないのだろうか。そして母は、この僕を見たらどんなことを思うのだろうか。
今、母にとても会いたい。どんな母だっていい。会って、話したい。
 僕は、強く歯を食いしばって、一週間後に故郷へ帰る決意をした。

     




 今日、僕は母に会いに行く。
上京して一年間ほど経って、僕がやっと帰郷しようと思ったのには理由があった。
 ナオコと気まずくなってから一週間後、母から手紙が来たのだ。
なぜだ、と頭の中で反復しながらも、住所もわからないはずの母から手紙が来た理由はとうとうわからなかった。

 その日、朝の配達から帰って来ると、オーナーに呼び出された。一年前より髪増えてないか?なんて考えていると、オーナーは、「ああ、これ?ロゲイン使ってみたんだ。でも気づいてくれたのはハルカちゃんだけだよ」と言ってぐぐっと笑う。相変わらず不気味だ。
はあ、と応えて「で、呼び出したのはなんでですか?」と問う。
これ、聞こえるか聞こえないかの声で一つの便箋を掲げて言った。正直拍子抜けして、もっと給料のこととかあるだろうと思った。
「残念ですね。こんな話で」マジ、不気味。そんなに顔に出ているのだろうか。
また、「はあ」と応えて、「とりあえず受け取ります」、を遮られた。
「誰からでしょう」便箋を持っていない左手を腰のうしろに当ててニコニコして、もう一度、「誰からでしょう」と言った。
「とりあえず受け取ります」これも、「誰からでしょう」に遮られた。
いよいよ面倒になって、「誰からなんですか?」と質問してみると同時に、「お母さんから」と彼は早口に言う。
 彼の顔は相変わらずニコニコしている。言葉の意味が理解出来ずに一瞬戸惑って、ぶんどる様に便箋を受け取って、階段で何度も転びそうになりながら自分の部屋へ駆け込んだ。過呼吸で苦しみながらも鍵を閉めて、近くにあったビニール袋で口を押さえてそのまま床へ倒れこんだ。涙が止まらず、不安と苦しみだけが感情として零れてくる。
ニコニコする不気味でしてやったりという様な禿げたおやじの顔が頭に浮かんだ。
「畜生・・・・」
そのうちにそれすらも消えて頭は真っ白になった。
 真っ白な頭の中に、まだ若い母の姿が浮かぶ。大きくて暖かい手を握り、上を見上げれば、少し目尻がキツイ綺麗な母の顔が見える。
僕は、母に焦がれているんだ。と、この時気づいた。
過呼吸がいくらか収まって、落ち着いてから煙草に火をつけた。少し考えてから、僕は目尻をキツく吊り上げて、母に会いに行くことを決めた。

 ユニットバスの鏡の前に立って、髪を掻き揚げる。鏡の中の自分は相変わらず顔が強張っていて、少しコンプレックスの狭いおでこが見える。
「人生やってみなきゃわからないもんだよ」なあ、と自分に問いかけた言葉はどこか浮ついていて、自分でもその言葉を正直に飲み込むには無理があった。
Nakanoワックスのスーパーハードを手のひらに伸ばして毛先にペタペタ。それから大胆に根元から持ち上げて髪の毛全体に伸ばす。スーパーサイヤじーん。ひとりごちて、少し笑う。
爆発した髪を丁寧に戻しながら、毛先に動きを出して整える。ここでもう手を洗って、タオルでワックスを拭き取る。
 鏡に向き直って、強張った表情を少し和らげてみた。
不器用にも口角を上げて、目を細める。角が削られた様な女性的な輪郭。中性的な撫で肩。無意味に膨らんだ胸。
・・・・男には、見えないかな。
 後悔をする人間が弱い人間だとするのなら、僕は、弱い人間に分類されるのだろう。自分でもそうだと思うし、それで良いと思う。相原悠は相変わらず相原ユウのままでいても、僕は僕のままであるし、それが良い、と思っているから。
 東京に来てから、初めて、鏡の前で笑えた気がした。

       

表紙

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Neetsha