第二話 「野球部」
担任の先生が入ってきた。
「みなさーん、ようこそ五十鈴高校、1年B組へ。私が担任の冴島睦月(さえじま むつき)と申します。」
「新羅、ずいぶん若い先コウだな。」
「うん、すばらしすぎるね!!これなら絶対に学校休まない。」
「お前・・見かけによらないな。」
「え?」
「なんかこうもっと、例えば、僕女の人に興味ありませんとか。そんな感じに思えたんだよ。」
「いやいや、僕、女の先生 WELL COME。えへへへへ」
「駄目だこいつ。」
僕は女の人大好きでーす。
「はい、ではなんか質問ありませんか?」
「はい、はい、はーい。」
「はい、えっと君は・・・」
「佐藤茂樹ですわ。えっと質問なんですけども、野球部ってどこにあるんすか?今もろた部活紹介には載ってへんし」
「・・ごめんねー、私ここに着たばかりで野球部のこととかはよく判らないの。本当にごめんなさい。」
「ええって。知らんもんはしゃあない。ありがとうなセンセ。」
あ~あの先生本当にGOODだよー。と思っていたら、浩介君の表情が険しくなっていた。
そのままHRが終わって教室で帰りの準備をしていると、
「新羅、面貸せ。ついでに八田もだ。」
え~友達だと思っていいたらいきなり面貸せって・・・・
「おい、別にカツアゲとかしようと思ってねえぞ。何だよいきなり泣きそうな目で見やがって、入学初日から問題起こすわけねえだろ。」
「本当に怖いことしないよね・・・」
「・・・10秒以内につれてこなきゃ泣かすぞ!」
「はい。ただいまつれてまいります。」
僕は走った。多分生まれてからはしったなかでベスト5に入るくらいのスピードで。僕は、風になりかけた。
「おいコラーぶつかっといて謝りもしないとはいい度胸じゃねーかよ」
「おい、了やめとけって。入学初日から問題起こすなよ。」
「うるさい!一お前は黙っていろ。」
「すいません、すいません、すいません。」
「謝ってんだから良いじゃん。今度は気つけろよ」
「はい。ありがとう」
「ったく、一は甘いんだよ」
「はいはい」
僕はとてもおっかない人に胸倉をつかまれたが優しい人に助けてもらえた。そして僕は、啓君+まこを、つれて帰ってきた。
「遅い!!何分たったと思っているんだよお前は。」
「浩介君ごめん。途中でおっかない人に捕まってて」
「ったく。ほら、行くぞ。・・・いつまで謝ってんだよお前は。」
僕たちは職員室に向かって歩き始めた。しばらくして僕たちは、まこを、つれてきてよかったと思った。
「くそー、職員室はどこにあんだよー」
「つかれたー浩介君まだー?」
「くそ、くそ、くそ」
「ちょっとどいて。職員室でしょ。ったく、こっちよ。」
小声でシゲ君が
「誰やあの女は?」
「・・・恥ずかしながら、僕の妹です。」
「なにー、ホンマかー。」
「お前とは似ても似つかない凶暴っぷりだな。」
僕は、ある重要なことを発見した。
それは、浩介くんがいつも一言余計なことをいうことだ。僕ってすごい。
「ここよ、早く用事済ませて帰るわよ、将。」
ガラガラ・・失礼します。
「君たちどうしたんだい?」
白髪の老教師が聞いてきた。
「1―Bの坂口と申しますが、この学校には、野球部はあるか聞きに来たんですけど。」
浩介君さっきまでとは、口調も態度も全然違う。まさに、猫かぶり!僕ってうまいなーって、自分ほめてどうすんだよ。
「野球部かい?うちの学校にはないよ」[あっさり&きっぱり]
「え・・・えええええええ」
「それは、本当ですか?」
「ああ、本当だよ。6年前に廃部になったんだよ。」
「あ、あ、あ」
「判りました。ありがとうございました。」
僕たちは、一言も喋らずに校舎を出た。そして、校庭を眺めた。
まさか、僕たちの夢が1日で脆くも崩れ去ろうしていた。
あの光景を見るまでは。