ある日 僕と友人は暇つぶしに見知らぬ神社に立ち寄る。
そこには古い祠があり荒縄が張り巡らされている。
僕は祠に何が祀られているのか気になり近くに居た巫女に話しかける。
「あの、この神社ではどんな神様を祀っているのですか?」
「ここではエピャルグリェフという神を祀っています」
巫女はにっこりと笑顔でそう答える。
「エピャルグリェフ?」
僕と友人が間抜けな声でそう言うと巫女は説明し始める。
「エピャルグリェフは雷と混乱を司る神でその姿は全身はぬるぬるとした
触手で覆われています。頭にはラッパの様な管がありそこから出る音を
聞いた者はすべて狂うと言われています。この神はトーグルセスの息子
で一番下の息子です。あ、トーグルセスというのはですね・・・・・・」
夕暮れ 約五時間にわたる解説から開放され僕達はのろのろと帰り道を歩く。
「ひどい目にあったな・・・お前があんな事を聞くからだぞ」
と友人がげっそりとした顔でそう呟く。
「でもあの巫女さんアレな感じだけど結構可愛かったよね」
僕がそう言うと友人は「馬鹿」と言って僕を小突く。
それから「まあ・・・結構可愛かったな・・・」と照れくさそうに笑う。