幼なじみの骨を埋めに私は電車に乗る。
車内はとても空いていて私と眠そうな老人しかいない。
私はポケットにしまった幼なじみの骨を手探りで探す。
象牙のように滑らかな物が指に触れて私は安心する。
「どこに埋めたら彼が喜ぶだろうか」
彼の骨を撫でながら私は自分に問いかける。
しかし、なかなか答えはでてこない。
電車はそんな無責任な私と眠ってしまった老人を
平等にゆらしながら夕暮れの中を進んでいく。
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