Neetel Inside 文芸新都
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短編小説集
緋色の影

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緋色の影

枯葉が舞い散り、季節の変わりめを感じさせる風が街並みを吹き抜けていく。
窓から見える景色は一抹の寂しさと、暖かさの名残を感じさせる光で満ちていた。
日が傾き始めた午後のひととき、そのショーは開幕する。
どこからかやってくる鳥たち、羽休めなのか、やってきては飛び立っていく。
羽を広げ華麗に滑空して来るその様は、空中ブランコのような緩急のついた心地よさと、
女性の髪が風になびくような美しさを感じさせる。
木々のステージで小鳥達が舞い踊る。
風に乗り、日に照らされ、揺れる影と舞い踊る。
次々と入れ替わる彩り豊かな鳥たちと、変わらぬ色の影たちの競演と共演。
しだいに日は更に傾き、雲を紅く染め、空を赤と青のグラデーションで染めていく。
気が付けば鳥たちの姿は、もう無い。
しかし、そこには風に揺れ、木漏れ日の夕日と影が踊っていた。

       

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