Neetel Inside ニートノベル
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兄オタ!
03 俺もオタクの血が流れてる?

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 俺は今一種の恐怖を覚えている。
 兄オタの本棚の前に立っているからだ。
 なんで兄オタの本棚の前に立っているのかって?説明するのめんどくさいな・・・・でも説明しないと色々な誤解を招く可能性があるので説明してやる。

 まず、俺は野球部に入っていて今日は練習があるはずだったのだが雨が降って休みになった。別にコレはいい楽ができるのだから、寧ろ感謝したいぐらいだ。しかしここからだ。
 当然ヒマなのでゲームでもしようかと思ったが兄オタに占領されていた。しかもギャルゲをやってやがる。タイトルはたしか『アマガミ』。
 俺は戦国無双がしたいので言ってやった。
「俺ゲームしたいから代ってくれよ。」
 そうしたらなんて答えたと思う?
 兄オタはテレビ画面を見つめたまま淡々と答えた。
「ん~・・・ヤだね。代わりといっちゃなんだが、俺の部屋の漫画でも読んで暇つぶししててよ。」
 こういう風に返されて、俺は特に何も考えずに本棚の前まで来ちまった。

「・・・・・・」
 まともな漫画がほとんど無い。まともなやつは俺が読んだことあるやつばかりだ。
「選びようがねぇ・・・」
 俺はしかたなくもう一度兄オタに話しかけた。
「なぁ、読む漫画が無いんだけど。」
「E!?」
 兄オタはとても驚いた様子だった。
「弟よ、何時の間に俺の本棚を読破していたんだ?」
 軽い勘違いだ。
「いや、そうじゃなくて俺向きの漫画がもう無いってこと。」
「お前『エム×ゼロ』読んだのか?」
「いや、読んでないと思う。」
 確か絵がオタクっぽかったので読まなかった気がする。
「あれは魔法とか出てきて普通に面白いから読んでみろ。面白さは俺が保障する。」
 そうまで言われては断ることができなかったので読んでみた。

 いつの間にか夕食の時間になっていた。
「兄オタ、漫画意外と面白かった。」
「フ、そうか。」
 なんか鼻で笑われたのがシャクだったけど気にしないことにしておく。

 次の日も雨だったので兄オタに『エム×ゼロ』の作者のほかの作品を読まさせてもらうことにした。
 俺もオタクになったもんだ。こんなオタク臭い絵の漫画を好んで読むなんて・・・・
 今日借りた漫画のタイトルは『プリティフェイス』というやつだった。
「どれ、読んでみるか。」
「・・・・・・・」
 やっぱり俺はオタクではないということがわかって安心した。

       

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