Neetel Inside ニートノベル
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夕暮れの。
第四廻「またこの日々」

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 2009年9月23日

俺が持田由実に告白する前日。
この能力(ちから)に出会ったのは、どれくらい前だろう。
時を遡る能力、タイムリープというやつか。
もうこの能力を使って、ゆうに30回以上持田に告白したと思う。
このタイムリープする条件は、5回くらい時を遡った時に気付いたのかな。

その条件は、“自分自身に大きなショックを与えること”。

 始めの内は、
持田に振られるだけでショックが大きすぎて、2009年9月23日まで戻ってきてしまった。
それも4回までで、少しずつ振られることに慣れてしまう自分がいた。
情けない。
だから、今回は友人に自分が書いたエロ小説を見られることで、自ら強いショックを引き起こした。
ノートを教室に落としてきてしまったのではなく、“わざと落としておいた”のだ。
これから回数を重ねるごとに、もっと自分に酷いショックを与える手段を、
考えなければいけないと思うと、早く成功させなければという気持ちが高ぶってくる。

 でも駄目だ。焦ってはいけない。
とはいえ、ゆっくりしている時間もないのだ。
俺は必ず明日の放課後、持田に告白しなければいけない。
何故なら、俺は2009年9月22日に、ラブレターを送っているからだ。

内容は
『あなたに僕の気持ちを伝えたいです。24日の放課後、屋上で待っています。』
というもの。

 何故か決まって、タイムリープして辿り着くのは、23日18:12の家の少し手前の道路。
そのため、ラブレターは既に相手に届いている状態で、今更告白を延期にすることなんて出来ない。

「1日しかないんじゃ、成す術がねえよ…」
「何の話?」
うわっ、と情けない声を出して飛び退くと、そこには遥子がこちらを見つめてにんまりとしていた。
「なんだ、遥子か」
「なんだとは失礼じゃない?」
ここで、遥子と出会うのも毎度のこと。
遥子が興味深そうに訪ねてくる。
「1日しかないってどういうこと?私にも教えてよ」
…今回は、遥子に相談を持ちかけてみるか。

       

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