Neetel Inside ニートノベル
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ゴリゴリ
三話

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「さて。」

僕は自室にて、自分の貯金箱を振ってみた。

カランカラン…

うん。

「15円しかない…だと…?」

元々僕はあまり貯金をするというタイプではないのだ。

「やっべー…これじゃベースどころか来週のライブも危ういんじゃないのか…」

放課後に寄った楽器屋のお姉さんにライブのチケットをもらった僕は、タツを放ってウキウキ気分のまま自宅に戻った。

もっとも、タツはなにやらあの奇抜なデザインのギターを爆音で弾いていたので近寄りがたかったのだが。

「タツも誘うか…。でもチケット一枚しかないんだよなぁ。」

とりあえず、タツにメールしてみよう。

「お前、来週の日曜ヒマ?

 さっき楽器屋のお姉さんにライブのチケット貰っちゃってさ。

 一緒にいかね?」

返信を待つこと2分。

ピピピ…

「いく。

 てかギター買っちゃった(笑)」

そうか、じゃあ一緒に行こうぜ…って。

「アイツ、ギター買ったのかよ!?」

アイツは本当に気が早い男だ。

でもギターって高いんじゃないの?よくそんな金持ってたな。

っと。メール送信。

ピピピ…

「お前、俺の節約術を甘く見るな。

 電気のコンセントをこまめに抜き、水道の出しっぱなしなど論外だ。

 あと食材は、あのスーパーが特売のときにまとめて買って…(ry)

 まぁ、とにかく結構貯金あるんだよ、俺は。

 ていうかマジこのギターいいだろ(笑))」

そういって添付されていた写真を開いてみると、そこにはあの奇抜な形のギターを抱え、満足そうな姿でニヤついているタツの姿があった。

大きなV字型のボディはなんていうか、タツらしいといえばタツらしいが…。

「…俺もあのベース、ちょっと欲しいな…。」

あのお姉さんが進めてくれたベース。

確か値段は6万ちょっとだったか。

「うーむ…バイト、するかなぁ…」

とにかく、今は金がない。

月の小遣い5000円じゃあのベース買うのに、2年くらいかかりそうだ。

やっぱり、バイトするしかないな。前々からしたいと思ってたし。

幸い、明日は土曜日だ。

そう思って僕は、求人広告雑誌に載ってあったコンビニに電話をしてみることにしたのだった。

       

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