ある日の日
新学期
それから、月日が流れて行った。
史樹は、涼華に言われた通りに次の日から病院には行かなくなった。
以前、史樹の記憶は戻らない日が続いた。
学校では、分からないところがあればユミがサポートしたりして、学校生活を乗り越えている。
史樹が記憶喪失になっていることを知っているのは、学校ではユミの他に誰もいない。
直輝とかに教えた方がいいじゃないかとユミが言ったが、史樹は迷惑をかけたくないと言って直輝には教えていない。
それで、あたふたした日が続いたがなんとか過ごした。
大晦日には、大掃除を張りきってしたり年が明けた日には、史樹、ユミ、エミ、美夏でのんびりした時間を過ごした。
3月には、なんとか中学校を美夏が卒業することができ。
4月から、史樹やユミが通う桜北高校に入学することになった。
春休みは、家でのんびりしたり、買い物に行ったり、遊園地に遊びに行ったりと充実した日々を送った。
そんな、春休みはすぐに終わってしまい。
4月。桜北高校入学式を迎えた。
美夏の入学式には、史樹が保護者席に出席した。
そのあと、新入生たちは、自分たちのクラスに移動する。
史樹も美夏のクラスに向かう。
美夏のクラスは、C組。席は、窓際の二列目前から三番目の席に決った。
軽いオリエンテーションをやって今日は、終わり。
「兄さん帰ろう!」
廊下で待っていた史樹に、嬉しそうな顔をしながら美夏が教室から出て来た。
「分かったから抱きつくな~」
史樹の腕に抱きつきながら仲良く帰り出す。
その二人の姿を教室から見ている人物がいた。
「史樹・・・」
翌日。二年生になった史樹。朝、玄関に行くとクラス分け表が貼り出されていた。
自分がどこのクラスになったのか目を上から下へと動かして見ていく。
「え~っと・・・E組か」
隣にいたユミも同じように見ていく。
「あ!私もE組です!」
「ユミさんもE組か、よかったユミさんと同じになれて」
「それは、私もですよ」
ニコニコしながら史樹顔を見るユミ。
「それじゃあ行こうか」
「はい」
教室に向かう二人。
新しく自分たちの教室に入ると。
「よっ!史樹!」
「久しぶり~」
教室に入ると直輝とラ―スがいた。
「もしかして、二人ともこのクラス?」
「そうだ!よろしくな!」
「よろしくね~」
知り合いが同じクラスに、いたことが嬉しく感じた史樹。
その直後だった。
「兄さん!」
「うわぁ!なんだ美夏か驚いたな~、てかよく場所分かったな」
「兄さん!今から私のクラスに来て会わしたい人がいるの!」
「え?だって10分したらチャイム鳴るぞ」
「いいから来て!」
美夏は強引に史樹の腕を引っ張る。
「ちょ美夏!分かったから引っ張るな」
渋々行くことにした。
「で?誰なんだ?」
「待ってて呼んでくる」
クラスの前で待たされる史樹。
「誰なんだろう?会わしたい人って」
数分後。史樹の目の前に現れたのは。
「史樹?」
自分の足で立っている涼華だった。
涼華と会うのは、涼華がもう来ないでと言ったあの日以来。
「どう?私の制服姿」
涼華は、あの腕組で史樹に聞く。
「・・・」
だが、何も言わない史樹。
「ちょっと、何か言いなさいよ」
「・・・ごめん」
後ろを向いて歩きだす史樹。
「ちょ・・・お願い待って!」
涼華の声で止まる。
「もしかして、病院の時の事怒ってる?」
不安そうに聞く。が、背中を向けたまま何も応えない。
「あの時は、ごめんなさい。あんな言い方しかできなくて」
「・・・悪い。そろそろ行かないといけないから」
そう言い残し史樹は、走って行ってしまった。
「史樹・・・いや、こんなのいやだよ・・・」
チャイムが鳴る2分前にクラスに戻って来た史樹。
「史樹~どこ行ってたんだよ~」
「ま~いろいろと」
「なんだよ~いろいろって」
何か様子がおかしい事に気づいたユミ。
――何かあったのかな?
チャイムが鳴り席に着くみんな。
席順は、名前順で史樹の席は、教室の真ん中、ユミは史樹の後ろ、ラ―スは、窓際の前、直輝は、ラ―スの隣。
すると、新しくなった担任が来て。
「え~一時間目だが席替えするぞ~」
一瞬静かになる教室。次の瞬間。
「「「「「「きたああああああああああああああああああ」」」」」」
教室の男子が吠えた。何故かと言うと。
「なんだ!何で決めるんだ!」
「来い!来い!くじ引き」
「猫柳さんの隣は、俺だ」
そう、このクラスにいる男子がほとんどユミが好きなのだ。
迎えた一時間目。
「え~席替えは、くじ引きで決めるぞ~」
担任の言葉に。
「「「「「「「「よし!」」」」」」」」
始まったユミの隣の席くじ引き大会。
担任が黒板に四角いマスを書き込んでいく、書き込んだマスにランダムに数字を書いていく。
「よ~し最初に女子から行くぞ~」
名前順にくじを引いていく女子たちそして、ユミの番が来た。
袋に手を入れ半分に折られた紙を引く、紙に書いてある番号を確認する。
「25番は・・・」
番号を確認する。番号を聞いていた男子たちも25番がどこにあるか探す。
「25番!窓際の一番後ろだ!」
最初に発見した男子が周りにいる、男子に大声で報告する。
「25番の周りは、前が2番、25後ろは、19番、そして一番人気25番の隣は11番だ!」
ユミは、書いてあった番号の席に座る。
「よ~し男子行くぞ~」
期待と興奮が急上昇している男子が順番にくじを引いていく。
くじを引いた瞬間に膝をついて落ち込む奴がほとんどだった。
そんな中、史樹の番が回って来た。
くじを引く、番号を確認する。
「えっと11番だ」
史樹が11番を引いた事が周りにいた男子たちに聞こえた。
ユミの隣の席に移動する。
「よろしくお願いします。史樹様」
「うん、こちらこそ」
座る史樹。
「なんか周りの人たちこっちを見てるのですが」
男子のほとんどが史樹にキツイ視線を送っていた。
最終的に決った席に配置は、ユミの隣が史樹、ユミの前がラ―ス、ユミの後ろが直輝、史樹の前と後ろに女子。
今日は、一時間目だけなのでこれで今日は、終わり。
史樹たち四人で下駄箱へ向かうとそこに美夏たちがいた。
「あっ兄さん」
史樹たちに気づき史樹の方を見る。美夏の隣には涼華がいた。
史樹を見るなり下を向いて時々史樹の顔を見る涼華。
「え~っと兄さんこっちこは、今日友達になった」
「あれ、まーちゃ」
「あっお兄ちゃんだ」
美夏の左隣にいた女の子は、ラ―スを発見するなりラ―スに飛びついた。
「えっとこいつは、俺の妹なんだ」
ラ―スに飛びついた女の子は、ラ―スの妹だった。
「お兄ちゃん一緒に帰ろう~」
「分かったいいよ」
「じゃね~美夏ちゃん」
「うん、また明日ね~」
「みんなじゃあな~」
仲良く手をつないで帰っていた二人。
「あっそうだった終わったら速攻で帰って来い言ってたな~悪い史樹、俺先帰るな~」
「分かったまたな」
残った史樹、ユミ、美夏そして涼華。
「あの~なんで」
涼華がいることに史樹に聞こうとすると。
「ユミさん私たちは、先に行くよ!」
腕を掴む美夏。
「えっ美夏ちゃん」
美夏に強引に連れて行かれたユミ。
史樹の目の前に涼華。涼華の目の前に史樹。
お互い何も会話しないで黙って立っている。
涼華に何も声をかけずに横を通り過ぎ、上履きから靴へ履き替える。
涼華に背を向けて下を向く史樹。そして。
「早く帰ろう」
声に反応して後ろを振りかれる涼華。
「今なんて・・・」
史樹も同じように振り返り。
「早く帰ろう」
史樹の顔が笑顔だった。
史樹の顔を見た涼香は、史樹の顔を見て顔が熱くなり始め真っ赤になった。
「うん!」
涼華もニッコリと笑顔になって応えた。
初めて一緒に歩く二人。桜の木が咲き乱れている道を歩く。
二人の前をユミと美夏が歩く。
「やっと、史樹と並んで歩けた」
「嬉しいの?」
「当たり前じゃないだって」
「だって?」
涼華を見る史樹。
言葉の続きを言おうとして史樹の方を見た涼華。
史樹と目が合う。顔が赤くなる涼華。
「うん?どうしたの?」
顔を近づける史樹。顔を伏せる涼華。
「いいから、早く帰ろう」
歩くペースを速めた。顔を伏せたまま。
分かれ道に入った。史樹の道は、右。左の道が涼華らしい。
前を歩いていたユミと美夏は、すでに道を右に曲がりどんどん歩いていく。
「じゃ俺こっちだから」
指をさし、右の道を歩き出す。
「待って」
背を向けて歩き出す史樹を呼び止めた。
振り返る。
「よ~し最初に女子から行くぞ~」
名前順にくじを引いていく女子たちそして、ユミの番が来た。
袋に手を入れ半分に折られた紙を引く、紙に書いてある番号を確認する。
「25番は・・・」
番号を確認する。番号を聞いていた男子たちも25番がどこにあるか探す。
「25番!窓際の一番後ろだ!」
最初に発見した男子が周りにいる、男子に大声で報告する。
「25番の周りは、前が2番、25後ろは、19番、そして一番人気25番の隣は11番だ!」
ユミは、書いてあった番号の席に座る。
「よ~し男子行くぞ~」
期待と興奮が急上昇している男子が順番にくじを引いていく。
くじを引いた瞬間に膝をついて落ち込む奴がほとんどだった。
そんな中、史樹の番が回って来た。
くじを引く、番号を確認する。
「えっと11番だ」
史樹が11番を引いた事が周りにいた男子たちに聞こえた。
ユミの隣の席に移動する。
「よろしくお願いします。史樹様」
「うん、こちらこそ」
座る史樹。
「なんか周りの人たちこっちを見てるのですが」
男子のほとんどが史樹にキツイ視線を送っていた。
最終的に決った席に配置は、ユミの隣が史樹、ユミの前がラ―ス、ユミの後ろが直輝、史樹の前と後ろに女子。
今日は、一時間目だけなのでこれで今日は、終わり。
史樹たち四人で下駄箱へ向かうとそこに美夏たちがいた。
「あっ兄さん」
史樹たちに気づき史樹の方を見る。美夏の隣には涼華がいた。
史樹を見るなり下を向いて時々史樹の顔を見る涼華。
「え~っと兄さんこっちこは、今日友達になった」
「あれ、まーちゃ」
「あっお兄ちゃんだ」
美夏の左隣にいた女の子は、ラ―スを発見するなりラ―スに飛びついた。
「えっとこいつは、俺の妹なんだ」
ラ―スに飛びついた女の子は、ラ―スの妹だった。
「お兄ちゃん一緒に帰ろう~」
「分かったいいよ」
「じゃね~美夏ちゃん」
「うん、また明日ね~」
「みんなじゃあな~」
仲良く手をつないで帰っていた二人。
「あっそうだった終わったら速攻で帰って来い言ってたな~悪い史樹、俺先帰るな~」
「分かったまたな」
残った史樹、ユミ、美夏そして涼華。
「あの~なんで」
涼華がいることに史樹に聞こうとすると。
「ユミさん私たちは、先に行くよ!」
腕を掴む美夏。
「えっ美夏ちゃん」
美夏に強引に連れて行かれたユミ。
史樹の目の前に涼華。涼華の目の前に史樹。
お互い何も会話しないで黙って立っている。
涼華に何も声をかけずに横を通り過ぎ、上履きから靴へ履き替える。
涼華に背を向けて下を向く史樹。そして。
「早く帰ろう」
声に反応して後ろを振りかれる涼華。
「今なんて・・・」
史樹も同じように振り返り。
「早く帰ろう」
史樹の顔が笑顔だった。
史樹の顔を見た涼香は、史樹の顔を見て顔が熱くなり始め真っ赤になった。
「うん!」
涼華もニッコリと笑顔になって応えた。
初めて一緒に歩く二人。桜の木が咲き乱れている道を歩く。
二人の前をユミと美夏が歩く。
「やっと、史樹と並んで歩けた」
「嬉しいの?」
「当たり前じゃないだって」
「だって?」
涼華を見る史樹。
言葉の続きを言おうとして史樹の方を見た涼華。
史樹と目が合う。顔が赤くなる涼華。
「うん?どうしたの?」
顔を近づける史樹。顔を伏せる涼華。
「いいから、早く帰ろう」
歩くペースを速めた。顔を伏せたまま。
分かれ道に入った。史樹の道は、右。左の道が涼華らしい。
前を歩いていたユミと美夏は、すでに道を右に曲がりどんどん歩いていく。
「じゃ俺こっちだから」
指をさし、右の道を歩き出す。
「待って」
背を向けて歩き出す史樹を呼び止めた。
振り返る。