「史樹に伝いたいことがあるの」
「何?」
涼華の顔を見る。
「あのね、私史樹の事が・・・」
その時、史樹の頭に激痛が走った。次第に目の前の光景がぼやけ始めた。
「その・・・」
史樹に激痛が走ったことに気が付いてない涼華。
激痛で目を開けていられなく右目が閉じて行く。左目も徐々に閉じて行く時だった。
ぼやける視界にある人物の顔が涼華の顔に重なった。
「春・・・美・・・」
そう言ったあと史樹は、前から倒れた。
史樹が目を覚ますとそこは、自分の部屋だった。
ベットから起き上がり、時計を見る。
「7時か・・・」
そこへ、タイミングよくユミがやって来た。
「史樹様!気が付きましたか!」
「あっはい」
「ビックリしたんだんですよ、突然小橋さんが史樹様の名前を大声で叫んで振り返ったら史樹様が倒れているんだから」
史樹の隣に正座をして心配そうな顔をして史樹に話をするユミ。
「さっきまで小橋さんもいたのですがもう、7時だから帰らせました」
「そうなんだ・・・涼華さんいてくれたのか」
「一ついいですか?」
「何ですか?」
「小橋さんが言ってたんですけど史樹様、倒れる時に何を言ったか覚えてますか?」
「倒れる時に?」
考え始める史樹。倒れた時に自分が何を言ったのか。すると、また頭に激痛が走ったがさっきより軽い。
「・・・確か、春美って言った気がする」
「そうです。史樹様、春美様を覚えてるんですか?」
「春美って誰なのか分からない、倒れる時に涼華さんの顔がその春美って子の顔が重なって自然とその顔を見た時に出てきた」
「そうですか・・・」
春美の事を覚えていることに期待をしていたが、残念ながら覚えていなかった。
「明日は、どうします?学校休みますか?」
明日の授業は、6時間もあるため倒れたばかりの史樹を休ませたく聞いてみる。
「どうしようかな?行った方がいいかな?」
「明日は、学校を休んで森林にでも歩いてみてはどうでしょう?」
「つまり、自然の空気を吸って来いと」
「はい」
どうしようか迷う。
「うん。そうしようちょっと学校をサボる感じだけど」
史樹は、明日森林浴に出かけることにした。
だが、この決断が史樹を大きく変えることになるとは、この時誰も思ってなかった。
次の日。ユミと美夏は朝、すでに学校へと出かけた。
まだ、自分の部屋でグッスリ夢の中の史樹。
エミは、何やら色々と準備をしていた。
10時になって夢から覚めた史樹は、ベットから起き上がり一階へと降りて行きエミがいるリビングに行く。
「あれ、エミさん?」
「あっやっと起きた!早くご飯食べて行こう!」
「行こうってエミさんも行くの?」
「当たり前じゃん一人で行かせるとでも思ってたの?早く食べて行くよ」
エミが行くことに最初は、驚いていたが一人で行くより身内と一緒に行く方が、楽しいだろうと史樹は思った。
11時家を出て出発した二人。
電車を乗って1時間バスを乗って30分。
12時半。目的地の森林の場所へと着いた。
史樹が前を歩き、後ろにエミが歩く。
太陽の日差しが木々の隙間から二人を温める。
小鳥のさえずり、涼しい風、風ではっぱがざわめく音。
歩きながら自然の空気を吸う史樹。
1時間歩くと道が開き周りが広場になっていた。
ベンチに座る二人。エミは、リュックからラップをされているおにぎりを出し史樹に渡す。
嬉しそうに渡されたおにぎりを食べる史樹。
史樹の食べている顔を見てエミは、自然と笑顔になっていた。
食べ終わった二人は、ベンチでのんびりする。
エミが史樹にある提案をする。
史樹がベンチの上に横になって、エミの膝の上に史樹の頭を乗せ膝枕。
史樹の目の前にエミがいる。ずっと見ていられなくなった史樹は、目を閉じる。
――やばい、目を開けられない
目を閉じてしまった史樹を見るエミ。
――史樹・・・目を開けて、開けないとキスしちゃうよ
記憶を失っても史樹に対する想いは、なに一つ変わっていないエミ。
――史樹・・・早く記憶を戻してよね、初めて出会った時の事忘れてるままなんて私嫌だかね
すると、どこからか綺麗な歌声が聞こえてきた。
聞こえてくる歌声は、迷いがない透き通る歌声。
エミは、ゆっくりと目をつぶっていった。
気が付くとエミは、ベンチの上で横になっていて史樹がどこにもいなかった。
「史樹!どこ!」
起き上がって周りを見渡すと、少し離れた広場のところに二人の女の人の間に史樹がいた。
ある日の日
休み時々森林
エミは、史樹のところに向かう。
二人に間にいる史樹は、楽しそうに会話をしていた。
史樹の右隣にいた女性がエミに気づいた。
「あっ史樹君、彼女さんが来たよ」
史樹の肩を軽く叩き教える女性。後ろを振り向く史樹達。
「史樹~」
史樹たちの前で止まるエミ。
「もう、急にいなくならないでよ」
「すいません、目を開けたらエミさん寝てたので」
「寝てたからって私の近くから離れないで」
「すいません」
エミに注意をされる史樹。
「まぁまぁ」
史樹の右隣にいる大人っぽい女性が会話に入って来た。
「史樹君はあなたを起こしたくなかったんだから」
「あなたは、誰ですか?」
睨みつけるように女性を見るエミ。
「あ~ごめんね、えっと私は、こずっていいます。大学生です。こっちは妹の・・・」
もう一人、女の人がこずの隣に移動し。
「SPって呼んでください。高校3年生です」
髪が長いこずとセミロングヘアーのSPがエミに自分達の事を名乗ると史樹が。
「エミさんさっき歌声聞こえてたでしょ?」
史樹の方を見るエミ。
「うん?まぁ確かに聞こえたけど」
「あの歌声がこの二人」
それを聞いたエミは、もう一度こず達を見る。
「あの歌二人が歌ってたんですか?」
こずに聞く。
「そうよ、気分がいいとここに来てよく歌うの」
すると、エミは。
「すいません。睨みつけたりして」
「いいのよ」
「さっきの歌とてもよかったです」
目をキラキラさせながらこずを見る。
「ありがとう。エミちゃんだったけ?よかったら歌教えてあげようか?」
「本当ですか!よろしくお願いします!」
こうしてエミの歌の練習が始まった。
広場の真ん中に桜を満開させている、木の下で練習を始めるエミと教えるこず。
史樹とSPは、離れたベンチに座って二人を見守る。
「史樹君は、どこの高校に行ってるの?」
「桜北です」
「あ~北校か~私南校なんだよね~」
「へぇ~そうなんですか」
会話が進むにつれ時間が過ぎて行く。
史樹とSPは、会話が合うのか必ずどっちかが話をするとどっちかが笑う。
歳が一つしか離れてないからだろう。
話が止まると二人は、エミの歌声に耳を自然と傾けていた。
エミの歌声は、とても聞いていて心地よくなる声だった。
「史樹君は、今日学校は?」
「ちょっと、気分転換したかったのでサボりました」
「サボったのか、まぁ私もそうだけど」
「SPさんは、歌うために学校休んだのですか?」
「そう、姉さんがどうしても一緒に来てって言うからね」
「仲がいいんですね」
風が吹く。SPの髪が風で揺れる。
SPは、風を感じるようにこずの方を見て。
「うん・・・姉さんは、優しいから」
こずの方を見るSPの横顔は、優しさを感じるような顔をしていた。
風に乗って来るSPの香りと横顔に史樹は、見惚れる。
「ん?何?」
「いや、何でもないです」
「今、私の横顔を見て見惚れてたでしょ?」
「してませんよ」
赤くなる史樹。
「駄目よ~史樹君には、エミちゃんが言う彼女がいるんだから」
「エミさんは、彼女ないですよ」
手を横に振って否定する。
「え?そうなの?」
「そうです」
さらに史樹に聞こうとしたSPだがやめた。
それから、時間過ぎ。5時を過ぎたあたりでエミとこずが練習をやめて史樹たちのところに来た。
エミは、こずに歌を教えてもらえたのが嬉しかったのかニコニコしていた。
そのあと、4人で軽く話をした後こずとSPと別れた。
「史樹、帰ろう」
「うん」
二人は、仲良く並んで帰るのであった。
広場があった森を出て駅に向かう。
エミは、歩きながらこずに教えてもらったことを史樹に話をしていた。
史樹は、エミの話をちゃんと聞きながら歩く。
そして、駅の前で信号待ちをしていた時だった。
二人が立っている横から一匹の猫が道路に飛び出した。
「あ!」
エミが声を上げた瞬間、スピードを出して来た車が突っ込んで来た。
エミは、犬化して助けようとしたが今の史樹の前で出来ないことに気づく。
「このままじゃ」
車は、猫に気づきブレーキを踏んだ。が、スピードは、減速するがまだ勢いは全然ある。
そのときだった。
「史樹!」
史樹は、猫を助けるために道路に飛び出した。
二人に間にいる史樹は、楽しそうに会話をしていた。
史樹の右隣にいた女性がエミに気づいた。
「あっ史樹君、彼女さんが来たよ」
史樹の肩を軽く叩き教える女性。後ろを振り向く史樹達。
「史樹~」
史樹たちの前で止まるエミ。
「もう、急にいなくならないでよ」
「すいません、目を開けたらエミさん寝てたので」
「寝てたからって私の近くから離れないで」
「すいません」
エミに注意をされる史樹。
「まぁまぁ」
史樹の右隣にいる大人っぽい女性が会話に入って来た。
「史樹君はあなたを起こしたくなかったんだから」
「あなたは、誰ですか?」
睨みつけるように女性を見るエミ。
「あ~ごめんね、えっと私は、こずっていいます。大学生です。こっちは妹の・・・」
もう一人、女の人がこずの隣に移動し。
「SPって呼んでください。高校3年生です」
髪が長いこずとセミロングヘアーのSPがエミに自分達の事を名乗ると史樹が。
「エミさんさっき歌声聞こえてたでしょ?」
史樹の方を見るエミ。
「うん?まぁ確かに聞こえたけど」
「あの歌声がこの二人」
それを聞いたエミは、もう一度こず達を見る。
「あの歌二人が歌ってたんですか?」
こずに聞く。
「そうよ、気分がいいとここに来てよく歌うの」
すると、エミは。
「すいません。睨みつけたりして」
「いいのよ」
「さっきの歌とてもよかったです」
目をキラキラさせながらこずを見る。
「ありがとう。エミちゃんだったけ?よかったら歌教えてあげようか?」
「本当ですか!よろしくお願いします!」
こうしてエミの歌の練習が始まった。
広場の真ん中に桜を満開させている、木の下で練習を始めるエミと教えるこず。
史樹とSPは、離れたベンチに座って二人を見守る。
「史樹君は、どこの高校に行ってるの?」
「桜北です」
「あ~北校か~私南校なんだよね~」
「へぇ~そうなんですか」
会話が進むにつれ時間が過ぎて行く。
史樹とSPは、会話が合うのか必ずどっちかが話をするとどっちかが笑う。
歳が一つしか離れてないからだろう。
話が止まると二人は、エミの歌声に耳を自然と傾けていた。
エミの歌声は、とても聞いていて心地よくなる声だった。
「史樹君は、今日学校は?」
「ちょっと、気分転換したかったのでサボりました」
「サボったのか、まぁ私もそうだけど」
「SPさんは、歌うために学校休んだのですか?」
「そう、姉さんがどうしても一緒に来てって言うからね」
「仲がいいんですね」
風が吹く。SPの髪が風で揺れる。
SPは、風を感じるようにこずの方を見て。
「うん・・・姉さんは、優しいから」
こずの方を見るSPの横顔は、優しさを感じるような顔をしていた。
風に乗って来るSPの香りと横顔に史樹は、見惚れる。
「ん?何?」
「いや、何でもないです」
「今、私の横顔を見て見惚れてたでしょ?」
「してませんよ」
赤くなる史樹。
「駄目よ~史樹君には、エミちゃんが言う彼女がいるんだから」
「エミさんは、彼女ないですよ」
手を横に振って否定する。
「え?そうなの?」
「そうです」
さらに史樹に聞こうとしたSPだがやめた。
それから、時間過ぎ。5時を過ぎたあたりでエミとこずが練習をやめて史樹たちのところに来た。
エミは、こずに歌を教えてもらえたのが嬉しかったのかニコニコしていた。
そのあと、4人で軽く話をした後こずとSPと別れた。
「史樹、帰ろう」
「うん」
二人は、仲良く並んで帰るのであった。
広場があった森を出て駅に向かう。
エミは、歩きながらこずに教えてもらったことを史樹に話をしていた。
史樹は、エミの話をちゃんと聞きながら歩く。
そして、駅の前で信号待ちをしていた時だった。
二人が立っている横から一匹の猫が道路に飛び出した。
「あ!」
エミが声を上げた瞬間、スピードを出して来た車が突っ込んで来た。
エミは、犬化して助けようとしたが今の史樹の前で出来ないことに気づく。
「このままじゃ」
車は、猫に気づきブレーキを踏んだ。が、スピードは、減速するがまだ勢いは全然ある。
そのときだった。
「史樹!」
史樹は、猫を助けるために道路に飛び出した。