新米「おっはよーぅ!!!!」
ハロー! 僕の名前は新米竜騎!!! 新都社高校に通うごく普通の高校生SA☆
ところで僕が大好きだった軽音楽部を辞めさせられてからもう16時間が経つ・・・だが僕は信じている。僕はあの軽音楽部に必要な重要なPersonだと言う事を。だからこれは一時の辛抱に過ぎない。
きっと彼らは解ってくれる筈だ・・・僕が本当はあの部活に於いて必要不可欠な存在って言うことに!!! だから僕は今日を、輝く今を強く生きる!!!!!!
新米「(あっ、今IPodからビューティフルアミュレット流れてきた・・・)」
そう言えばまだ劇場版リリカルなのは見に行ってなかったな・・・今日見に行こうか・・・
更にそう言えば何か昨日変なギターを貰った気がしたが、限りなく気のせいだった気がした。
『ひそひそ・・・ひそひそ・・・』
女子生徒A「ねぇ貴方・・・貴方が聞きに行きなさいよ」
女子生徒B「エーやめてよ・・・貴方が先に言ったんだから貴方が行きなさいよ、私関わりたくないし・・」
おッ、僕がクラスに入った途端に僕の噂話が始まったようだ・・・人気者って言うのはつらいなぁ、ボーカルって言うのは一番目立っちゃうからこう言う事が起きてしょうがない・・・
女子生徒A「ねぇ・・・新米君?」
おっ! 僕の溢れ出る魅力から女子生徒が釣られて話しかけてきたぞ!!! 人気者はこれだから困るんだ・・・ハハッワロス
新米「ハハッ何の用かな?」
女子生徒A「何でギター持って登校してきてるの?」
新米「えっ」
第2話『★新☆生★ 二代目ギターマン~目覚めよ!!!受け継がれる魂(ミュージカル・ハート)~』
~休み時間・屋上~
僕は今不思議な現象に見舞われている
どんな現象かというと、ギターが体に装着されたまま離れないのだ
ギターを肩にかけて使う為のあの変なベルトみたいなのを外そうとすると体から激痛が走り、ギターを外す事が出来ない
そのまま朝のSHRをギターを装着した状態で受けることになり、当然の如く先生から注意を受けてしまったので理由を説明しようとしたらクラス中から失笑が沸きあがった上に先生のも頭がフットーしてしまったみたいでギターを持っているせいで上手く立ち上がれない僕を駅弁体位で生徒指導室に連行し指導を受けることになった
何度も何度もその理由を説明してはみたものの先生は一向に信じる気配がなく、強制的にギターを引き剥がされる事となったが、その途端に先生が突然激痛を訴えて生徒指導室を転げ回り棚に頭を強く打ってそれからその棚の上に置いてあった花瓶が先生の頭の上に落ちるというアニメのようなまさかの二連撃の前に先生は気絶してしまった
その隙に僕は屋上に逃げてきたのだった
そうしている内にチャイムが鳴り、今は休み時間・・・だが、僕の日課としている休み時間のティータイムに行く事はこの状態では不可能だろう・・・
先生も今頃復活して僕を探して校内をアルカパのように走り回っているに違いない・・・アルカパを実際に見たことは無いけど
そのアルカパのように走り回っている先生を掻い潜って僕の大好きな『糖尿病まっしぐら★角砂糖30個分超濃度圧縮ハイパー砂糖水(500ml)』通称『糖尿水』をこんな目立った格好で買いに行くのは恐らく至難の業・・・
新米「ハッ」
そうだ! いい事を思いついたぞ! 休み時間が駄目なら授業中に買いに行けばいいんだ!!!
どうせこんな状態で授業を受けられる訳無いし、このまま今日はサボって一日中優雅な糖尿水タイムを堪能するぞぉ♪
新米「僕ってあったまいいなぁ・・・ハハッワロス」
???「おい」
新米「ん?」
アレ? 何か何処からか声がしたような・・・
???「此処だよココ、お前が持ってるギターだ」
新米「えっ」
???「よぅ二代目ギターマン、話すのは是が初めてだな・・・俺様がセンチュリオン☆ギターだ」
僕は最近頭が可笑しくなったようだ
なんだか軽音楽部を辞めさせられた辺りから記憶が怪しい
思い出せ・・・確か帰りに突然変なギター野郎に話しかけられて、そのままラーメン屋に行って・・・そうだ、そこからその野郎が突然変な中二ワールドストーリーを展開し始めてそのまま突然倒れて・・・そいつが金を持ってなかったせいで僕が二人分のラーメン代を払うことになって、金になりそうな物品だけ剥ぎ取ってどっかに投げ捨てたんだっけ。
アレ? でも何か大切な事を忘れているような・・・
???「確かその男からギターを手渡されてたんじゃなかったか」
新米「ああそうだ! 確かなんかミュージカルハートだかなんだかを守れって言われてたような気がする!」
???「そして俺がそのセンチュリオン・ギターと言う訳だ・・・呼び方はC/Gと呼んでくれ給え」
新米「でもそれって間に入る/が読み辛くない? スラッシュって呼べばいいの?」
C/G「そうだな・・・スラッシュと読むのは聊か不便かも知れん。よしココはC・Gで妥協しよう」
新米「そっかぁ、じゃあ宜しくねC・G! 所で一つ相談があるんだけど・・・」
C・G「なんだ? 思春期特有の性の悩み以外の相談だったら何でも受け付けるぞ」
新米「最近僕、ギターから声が聞こえるんだ・・・」
C・G「それは仕方が無いな・・・何故ならミュージカル・ハートの宿っている楽器には生物同様魂が宿っている。だからその楽器は喋る事も可能なんだZE☆俺みたいにな」
新米「ああ、だから君は喋れるのか・・・」
C・G「ああ」
新米「ぉぉおぉおぉぉぉおおおおおおおぉおぉおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
C・G「どうしたそんな精神病患者みたいな声を上げて、近隣の住民から苦情が来るぞ」
新米「何でギターが喋るんだよ難でギターが喋るんだよ難でギターが喋ってるんだよおぉおおお!!!!!!!!!!!!!!!!! アレか、気付かない内に僕は夢の国に入場していたって言うアレなのかな、ハハッ僕ミ○キー」
C・G「しっかりしろ竜騎!!! 鼠の国の世界に飲み込まれてはいけない!!!」
新米「気軽にファーストネームを呼ぶんじゃねえよこのギターがぁああァアアアア!!!!!!!!」
C・G「じゃあなんて呼んで欲しいんだ」
新米「そうだなぁ・・・マジカルイケメンボーカリスト☆アブソリュートドラグーン新米竜騎って呼んで欲しいな」
C・G「・・・」
新米「スルーすんなよこのギタァアアアアアがぁぁあああああ!!!!!!!!!」
C・G「まぁ落ち着けよ相棒・・・そんな大声出してると、おっと・・・言う前に出てきやがったか」
新米「えっ」
振り向くと屋上のドアの前にいつの間にか先生が立っていた
先生「やあ新米! こんな所に居たのかぁ・・・先生探し回って走り回ってもう足ン中がパンパンだよ」
そういって先生は僕にパンパンに膨れ上がった足を見せつけてきた
新米「先生! さり気無くヤマジュンネタを入れているようで実際はその表現には無理が在ると思います!!!」
先生「ハハッ新米は手厳しいなぁ・・・先生困っちゃうよ」
新米「そんな事より先生!!! 助けてください!!! 本当にこのギターが体から離れないんです!!!」
先生「ああ、実は先生もそのギターの事で来たんだ・・・」
新米「えっ」
先生「どうだい新米? 新米もそのギターの処理に困っているみたいだし・・・新米が僕に体を預けてそのギターを手渡してくれると言うなら、今日生徒指導室から逃げ出した事も授業をサボった事も全部チャラにしてあげよう」
体を預けると言う表現に一抹の不安が過ぎったが、その提案は今の僕にとって魅力的過ぎるものだった
僕は当然の如くギターを差し出すことに決定した
新米「えっ!? 本当ですか?! そんな美味しい話があったらホイホイ乗っかっちゃうに決まってるじゃないですか~はいギタ・・」
そうして僕がこの基地外ギターを差し出そうと先生に近付こうとした、その時・・・
C・G「騙されるなッ!!! コイツは俺の元相棒の仇、音楽戦士団(ミュージック・ストライカーズ)の一人だッ!!!!」
新米「えっ」
センチュリオン・ギターが突然叫んだ事によって僕は動きを止めてしまった
先生「どうした新米? 何かあったのか?」
先生は何事も無かったかのように平然としていた
どうやらさっきのセンチュリオン・ギターの声は先生には聞こえていない様だった
やはり僕はどこか可笑しいらしい・・・そもそもギターから人の声が聞こえるって言う時点であからさまにやヴぁいよなあ・・・ギター渡したら精神科に一度行ったほうがいいのかも・・・
新米「いやあ何でもないです、僕最近ちょっと疲れてるみたいで幻聴が聞こえました」
先生「其れはいけない! 早く僕の所へ来るんだ!!! 手遅れになる前に今すぐ!!!」
新米「はい先生!!! 僕を受け止めてくださぁああああああ」
そう言って僕が先生に飛びつこうとした、その時だった
C・G「ソイツの体の後ろッ!!!!!!! 楽器があるッ!!!!!!!!!!」
新米「なッ・・・」
先生「ッ!!!」
センチュリオン・ギターに制されて再び止まると、先生が後ろに回していた左手に何かを持って構えているのに気付いた
それは・・・僕がギターの次に恐らく見慣れていたであろう楽器の一つだった
新米「先生・・・なんで、ベースを持っているんですか・・・?」
先生が持っていたのはベースだった
先生「あ、あぁ・・・実は先生も軽音楽をちょっと齧っていてね、新米の説得に失敗したときの奥の手として用意していたんだ・・・新米は音楽をやっているから、同じミュージシャンとして音楽で語ろうと思ってね」
新米「流石先生!!! やっぱり考えている事が違うや!!! 先生すっごい!!!!」
先生「ハハハッもっと褒めて褒めて!!!」
C・G「竜騎・・・」
―――――――――
俺は考えていた
名も無いギターとして使われ続けたある日、ミュージカル・ハートを埋め込まれた、あの日から・・・俺は意思を持ち、音楽戦士と共に闘う事で音楽を奏でる楽器へと姿を変えた
その時から闘う事を宿命付けられた俺は、突然の事態に当惑しながらもその運命を受け入れ、昨日まで相棒と共に数々の音楽戦士たちと戦い抜いてきた
しかし・・・
~数日前~
ギターマン「ぐぅっ!!!」
先生「どうしたんですかギターマン、貴方の音楽力(ミュージック・パワー)はその程度ですか・・・?」
C・G「もう止めろ相棒!!! このままじゃお前が死んじまう!!! 俺を捨てて逃げろッ!!!」
ギターマン「馬鹿言うな・・・お前を捨てて、逃げられる訳・・・無い、だろ?」
C・G「相棒・・・」
ギターマン「(フッ・・・C・G、『アレ』をやるぜ)」
C・G「・・・ッ!!!」
先生「もう終わりですか? 残念ですねぇ・・・それでは、アカシック・レコード完成の為の礎となって貰いましょうかッ!!!!!!」
ギターマン「聞けッ!!!!!俺の渾身の旋律をぉおおおおおッッッッ!!!!!!!!!!!!」
ギターマン「へへッ、何とかお前は守れたな・・・」
C・G「お前ッ・・・あの技・・もう、身体はッ・・・!!!」
ギターマン「気にすんなよ、ちょっと・・・目が見えない程度さ・・・この石っぽいの、座れるか?」
C・G「・・・ああ」
そう言って相棒は駅前の噴水広場の石畳に腰掛けた
ギターマン「お前の新しい相方を・・・探さなきゃ、な・・・」
C・G「ああ、そうだな・・・」
ギターマン「・・・」
すると突然、相棒は俺を使って田村ゆかりの曲のメドレーを弾き始めた
ギターマン「懐かしいなぁC・G、よくお前を連れてライブ会場まで行ったっけ・・・」
C・G「ああ・・・」
ギターマン「でもギター持ったまんま会場入るのは勇気が無くてよ、チケット買っても会場には入れなくて・・・でも今思えば、リアルのゆかりんを見て絶望する危険性を考えたら、是で良かったと思うよ」
C・G「すまない・・・俺のせいで、迷惑を掛けた・・・」
ギターマン「ヘッ、何言ってんだ・・・お前を選んだのは、他でもないこの俺だぜ・・・? 自分の穴ぐらい・・・自分の手で拭ってやれなきゃ、一人前のミュージシャン、いや、男とは言えねぇよ」
C・G「じゃあ何で言ったんだお前」
ギターマン「悔しかったんだよ!!!!!!!!!! そうは言ってもやっぱりゆかりんの生ライブ死ぬ前にこの目で見たかったんだよ!!!!!!! 悪いのかよ畜生ぉぉおおおおおこの雰囲気読めねぇ糞ギターがぁアアアアアアアアあっッッッッ!!!!!!!!!!!」
C・G「何言ってんだテメーこそ俺をぞんざいに扱いやがって!!!!!!! この前の戦いなんか『狩猟笛スタンプッ!!!!!!』とか言って演奏とか無視して俺を打撃武器として使って闘ってたじゃねーか!!!!! お陰で俺の華麗なるボディの傷があの一戦だけで倍加したぞ!!!!!!」
ギターマン「知るかよ!!!!! 向こうがパイルバンカー括り付けたリコーダー投げつけてきたらこっちも物理的に応戦するしかねーだろ!!!!!! 大体なんだよ音楽戦士団って!!!!! 闘って音楽奏でるとか思いっきり無視してんじゃねーか!!!!!! もういいもんね!!!!!! 俺はココで童話迷宮弾いてその演奏で釣った田村ゆかりファンと一緒にラーメン屋で死ぬまでゆかりんの事について語り明かしてやる!!!!!!!!!!!!!!!」
C・G「知るかこのキモヲタがッ!!!!!!!! 日本武道館の前で倒れて死ねボケェッ!!!!!!!!!」
しかしそう言いながらも相棒は俺を新しい相棒、新米竜騎に託してくれた
ああは言って置いても、俺の事をちゃんと思っていてくれたのだ・・・
俺は涙を流せる身体ならきっと流していたに違いない
だが、今この状況に於いて、俺はその相棒の無念を果たせないまま、相棒の仇であるこの男によって絶体絶命の状況に立たされている
竜騎も俺の声が聞こえている筈だが、現実を受け入れることが出来ないでいる
C・G「(此処で終わりなのか・・・ッ!!!)」
俺は腹を括った
覚悟を決め、運命を受け入れた・・・その時だった
新米「でも・・・」
先生「ん?」
新米「俺を退部に追いやった奴が持ってたパートは・・・ベースだったんです・・・」
先生「何が言いたいんだ・・・新米?」
『カッ!!!!!!!!!』
刹那、竜騎の身体から光が放たれた
C・G「(こッ・・・この力はッ!?)」
新米「ベースをやってる野郎は・・・無条件で悪だッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」