クロ電話ノ鳴ル処
あとがき
「あとがき」(作者独り言、さらに本編のネタバレを含みます)
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クロ電話ノ鳴ル処、無事に完結と至りました。
チラ見してくださった方、コメントしてくださった方、
トップ絵を描いてくれた妹、物語を書き続けるきっかけをくれた
二人の恩師、他にもお世話になった方々大勢。
ありがとうございました。m(_ _)m
原案を考えたのは、去年の夏でした。
学園祭の小冊子に乗せる、ホラー風味の話として考えていましたが、
とても数ページ(上限、8,000文字程度)に収まりそうになく、
その時は、別の案を採用しました。
ただ、ネタを捨てるのも勿体なくて、
去年の秋頃に書いた「春夏」のあと、改めて大まかにプロットを組ん
で、二月頃、新都社で公開させて頂きました。
最初は、バッドエンド一直線の予定でした。
その名残が、信也が見る十年前の夢にも残っています。
もう一つの結末が浮かんだのが、書いている最中でした。
信也とクロが和解→○年後にクロが黒猫(?)に転生→
大人になり、家庭を持った信也の一家と仲良く暮らす。
どっちにしようかなぁと呑気に考えていて、
肝心の、分岐シーンになったら決めればいいやと思っていたら、
第三、第四の結末が浮かんできて、余計まとまらなくなりました。
もういっそ、マルチシナリオのゲーム作れるんじゃね!?
と、テンパったぐらい。
プロットは、書く前にしっかり力入れて作りませう……(学んだ)
そんなダメ人間が書いた話ではありますが、
一つだけ、最初から一貫して決まっていたことがあります。
それを教えてくれたのは、私の友達です。
『やっぱり、なにかしら、主人公が成長しないとダメなんだよな』
さらっと言いやがったことが、自分にとっては衝撃でした。
その言葉が衝撃だったから、この物語の結末は、あぁなったのだなと
自分で解釈してみたり。感謝しています。
同時に、途中から意識したのが、これが自分なりの「青春小説」かも
しれないなぁということでした。
登場人物は斜に構えていたり、ズレていたりするところはありますが
全員、なにかしら良い方向へ、変わりたいと願ってる。
方法が分からないし、不器用だけど、とにかく認めてもらいたくて、
必死に自己主張をしている。自分の理想を追いかけている。そんなイメージ。
大人がこんな生き方をしていると、白い目で見られたりするけれど、高校生なら大丈夫。
そう割り切って、まっすぐに全力疾走させてみました。
時には自分のイメージを加えてみたり、味付けとして、間違った方向へ意図的に引っ張りました。
書いていて本当に楽しかった。終わってから言えることで、書いてる間は、
本当にしんどかったけども。
もう一つ、最初から決めていたこと。
一昨年に書いた自作品「異世界の手紙」よりも、良い作品を書くという決意です。
アレが未だに自分の作品でベストなので、今作と比較させる意味合いも込めて、
冒頭部だけ登場させました。超えたかどうかは、自分でもかなり疑惑が残ります。
面白さ的には劣っていると思わざるを得ない感じ。
ただし今後、別作品を書く幅が広がったいう意味合いでは、今作の勝ち、という自己評価。
登場人物の数とか物語の長さとか、全然違うし。うん。
次に目指すはライトノベル一冊分。そろそろ書けるだろう。たぶん。
最後に「クロ電話」を書くにおいて、強く影響を受けた作家さんをご紹介をして閉めます。
なにかの参考になれば幸い。お好きになってくれると、とっても幸い。
「野村美月」……文学少女シリーズなどの作者様。
信也←→クロ、二つの視点の切り替えを、
大好きな文学少女シリーズを参考にして書きました。
「有川浩」 ……図書館戦争シリーズなどの作者様。
じーちゃんを書く時には、自分のイケメン像に加え、
有川さんの書く男キャラクタ―を、イメージしました。
「沖方丁」 ……シュピーゲルシリーズなどの作者様。
信也の意思や、善悪などの考え。生き様などに反映。
私自身、強く影響を受けた作者様です。文章が神。
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(5/3 初稿)