Neetel Inside 文芸新都
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新都社で人気作家になるための手引書
第五章「コメントを貰うための具体的行動(上)」

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 後々書こうとしていることや、まさに今執筆中の内容と同じようなことが本スレや編集部で書かれてしまっているとちょっと辛くなる時もあります。だけどくじけないよきっと。読んでくれる人がいる限り。コメントをくれるあなたがいる限り。


 では、第五章に至ってようやく、コメントを出来るだけ貰えるようにする具体的行動について書いていきます。
 それらの中には、自作を宣伝する行為もありますから、当然「うぜえ、目立ちすぎ」という風に叩かれることも、ある程度覚悟しなければなりません。宣伝など一切せず、ひたすらストイックに作品に取り組むという姿勢も立派ですが、それで人気を博している方ならば、この文章を読んではいないものと思って話を進めます。

 新都社は出版社のような体裁を取り、ジャンルごとに分かれた雑誌があり、作家を「先生」と呼ぶ慣習はありますが、当然商業出版社ではありません。
 新規更新分はTOPに置かれます。ランキング機能により人気作を知ることが出来ます。最近では更新時の作者のひとことをtwitterで配信する機能も実装されています(http://twitter.com/neetel_main)。最速○○(旧最速新都)では、注目の人気作・最近の新連載がTOPに置かれています。新都社で作品を始めさえすれば、それだけであなたの作品は世界中から多くの読者を獲得し、コメントを寄せられ、書籍化され、映画化される、なんて夢を見ることが出来ます。
 ですがそれは幻想です。
 新都社は商業出版社ではないので、社員に給料が払われているわけではありません。あなたと共に熱心に打ち合わせをし、資料を集め、時には叱咤し、時には激励してくれる編集者はいません。出版社からの大プッシュを受けることもありませんし、毎回最後のページに煽り文句を入れてくれる人も存在しません。
 あなたは新都社という場を無料で利用出来ます。ただし、描いても書いても原稿料は一円も貰えません。なおかつ、少しでも自作を目立つようにしようとしたら、自分で宣伝をしなければなりません。前述のように、叩かれるかもしれないというデメリットも抱えながら。
 これを読んでいるあなたは現在人気作家ではないのですから、読者が方々で「これ面白いよ!」と宣伝してくれるなんてことはないと考えてよいでしょう。そういったことも頭の片隅に置いておいてください。あなたを人気作家に押し上げるのは、あなた自身です。

※注記しておきますが、この新書では「自作自演」「作者による意図的な悪目立ち(規約違反・他作者や読者叩き・その他暴言・犯罪行為など)による批判コメント稼ぎ」は一貫してお勧めしません。


 宣伝行為にはリスクが伴います。一度や二度なら効果的だったものでも、続けていくごとに逆効果になることも多々あります。しかし、読者=作者の多い新都社において、リスクも顧みず勇気を出して行われた行為に対して、心のどこかで賞賛の声を送る人も必ずいます。作者の勇気を認めてくれた方の内の何割かは、作品にまで興味を持ってくれることでしょう。「興味:反感」の割合を、6:4、できれば7:3程度に持っていくことが出来れば、新規読者の開拓に繋がります。間違っても10:0になることはありませんが、しつこく続けていれば、0:10となることに成りかねませんので注意してください。

 第一章「あなたの作品は読まれていない」において、あなたの作品が更新された際、100人中最後まで読んでくれるのはせいぜい15人、コメントをくれるのは1~2人、といったことを書きました。その人数を、15人から16人、コメントを書いてくれる人を2人から3人に増やそう、これから書くのはそういう地道な努力です。ある時突然爆発的に100人中100人が読み、コメントしてくれるようになるといったことはまず起こりません。何もしないでいるとじり貧になって、貰えていたコメントも貰えなくなることすらあります。たかが読者一人を増やすために頑張るのは馬鹿らしいと思えるかもしれませんが、一人の読者は新たな一人の読者の呼び水となることもあります。稀には呼び出すものは洪水となるかもしれません。



<本スレで更新報告>

 新連載を始める時ぐらいにしかしない人も多いようですが、それはもったいないと思います。リスクも伴いますが、だからこそ効果的といえます。本スレにはそのスレに常駐して書き込んでいるような人達以外にも、作業の合間にたまに覗く人、ROM専の人、一日の終わりにチェックする人、VIP板の住人がたまたま目にして、といったように、思っている以上の人数に見られています。書き込んだ直後に「読みました、面白かったです!」のようなレスが来たら、それにつられて読みに来てくれる人もいるでしょう。ぼろくそに書かれることもありますが、そこはたとえ頭に血が昇っていても「読んでくれてありがとうございます」といった無難なレスを書き込んでください。報告後は基本的に長居は無用です。

※これを書いている最中、2ちゃんねるは大量規制中です。時折こういうことも起こりますが、編集部の更新報告スレに「現在本スレ規制中なので」といった一言を添えて報告しておけば、優しい人が転載してくれるかもしれません。


<レビュー系>

 レビューには多くの形態があります。編集部の各スレや、本スレでのレビュー・一行感想、ネットラジオでのDJによるレビュー、最速のレビュー機能、時にはブログやtwitterなど。
 レビューは嫌い、レビューが怖い、といった方も少なくないかもしれません。
 時には、レビューをしたがっている人が作品を求めてくることがあります。基本的には自薦することをお勧めします。誰かがあなたの作品を推薦してくれることを待っていても、滅多にその願いは叶えられません。「ヤング今日の更新分上から五個」といった、暗に自作を含めるやり方もありますが、それでは時間がかかります。一作にじっくり取り組んでもらった方が、レビュアーにとっても、レビューされる作家側にとってもメリットが大きいです。時には、せっかくレビューをやる気になっていたのに、大量に作品を提示されてその気を失い、レビュアーが逃げ出すという不幸なことも起こります。
 ただし自薦といっても、機会あるごとに自作名を書き込んでいては当然煙たがられます。また、大長編で既に評価の定まっている作品は、読むのも大変ですし、レビュアーも無難な物言いにしかならないことも多いので、自重した方がよいかもしれません。「まだ評価の定まっていない、これからが期待される作品」の方がレビューのし甲斐があるというものです。

 編集部のレビュースレなどではよく「誰かレビューしてくれないかなあ」といった書き込みがありますが、それはほとんどの場合、「誰か(俺の作品を、出来るなら誉めあげる)レビューをしてくれないかなあ」という意味です。前述のように、ただ待っているだけであなたの作品がレビューされる可能性は低いのですから、遠慮なく自薦してみましょう。あまりにしつこい前歴がなければ、大抵の場合レビューしてくれます。レビュアー自身もレビューの機会に飢えているのですから。
 また、自身がレビュアーとなるのもお勧めです。「レビューして!」ばかり書き込んでいるのに、他人の作品は読まない、では、人として誉められたものではありません。作品を分析して見る癖が付き、自作を客観的に見るのにも役立ちます。他人の作品に指摘したことを、必ずしも自分で守れているわけではないことも多いですが……。

※批判一辺倒のレビューは場が荒れる原因になります。HNを名乗る場合は特に注意してください。

 いくつかレビューした後、「出来れば僕の作品も……」という形で自薦すれば、ただ「レビューして!」とだけ書いた場合より、真摯なレビューをもらえる可能性が高まります。
 という推論を元に、編集部の「文藝作品レビュースレ」にて、自薦されていた一作品のレビューを27行書いた後、本作のレビューをお願いしました。結果4レス、合計24行のレビューをいただいたことを、参考に記しておきます。

 ネットラジオでのレビューを、私自身、現在連載中のこの作品を使って二度お願いしてみました。幸い二度とも、DJの方は既にこの読んでおられ、好意的なレビューをいただきました。一度目は夕方で、直後にコメントが二つ増えましたが、二度目の夜中の際には、新たにコメントがもらえることはありませんでした。時間帯の違いということもあるかもしれませんが、ネットラジオのリスナー総数というのは、どの時間帯で誰がDJであろうと、実は大きく変わらないものらしいです。録音で聴いた人に対する効果はいつ表われるか、こちらから知ることは出来ません。

 レビュー熱は時折突発的にあちこちで盛んになるのですが、急激に冷めて廃れることもまた多いです。あらかた作品がレビューされた、レビューが雑になり、暴言気味のものが増えた、レビュアーに茶々を入れる人が出始める、など、原因は様々です。作品を投稿すれば反応がコメントという形になって返ってくる実作作業と違い、レビュアーにはあまり報いがないせいでもあるでしょう。それと、作者や読者側からの、レビュアーへの不寛容という、悲しい面もあります。
「レビュアーは誤読してはいけない」「的外れな批評をしてはいけない」「話の展開に口出しなんて余計なお世話」「そもそもレビューなんて頼んでないのに勝手にやらないで」などなど。批判一辺倒のレビューは確かに誉められたことではありませんが、レビュアーはレビューのプロではありません。時には筆が滑ることもあるでしょうし、長文レビューの場合は、長所を多く挙げると同時に、欠点を指摘したくもなるでしょう。書き方が拙いだけで、内容は真摯な批評であるものを、叩きと受け止めてしまうと、悲劇が起こってしまいがちです。
 新都社作家はプロ集団ではありませんから、拙い絵や無茶なストーリー展開の作品も多々あります。それでも喜ばれ、認められる作品もあります。レビュアーにだけあまりに質の高さを求めるのではなく、柔らかく受け止める寛容な心を、切に望みます。
 もしも明らかな誤読による的外れのレビューであっても、あなたの作品に誤読を誘発する要素が少しでもあることに気付くきっかけになるかもしれません。

 と、ここまでレビューについて長く書きましたが、レビューによる新規読者の開拓、コメント増というのは、それほど劇的な効果は期待出来ません。作品に力がない場合には高評価は得にくいでしょうし、レビューした/レビューを読んだ、ことで既にその作品との関わりを終えた気分になり、コメントまで結びつかないこともあります。
 ですが、作品を読まなければレビューは出来ません(TOPだけ見て引き返した場合などは除く)から、少なくとも一人は読者が増えるわけです。そこから先はあなたの作品次第ということになります。


<TOP絵を変えるタイミングなど>

 話の展開上、どうしても繋ぎの回であるとか、あまり大きな盛り上がりのない回というのが出てきます。毎回毎回クライマックスで大興奮、という作品を作れたらそれでよいのですが、なかなかうまくはいきません。そればかりやっていると、世界観やキャラクターに一切深みのない、読者を置いてけぼりにしたものになりかねません。
 だけどそんな回でもコメントは欲しい、というあなたにお勧めなのが、本編以外にコメントのしどころを作るという方法です。この連載でも、第三章「そもそもジャンル選択を間違っていないか」の回では、それほど目新しいことを書いたわけではなかったので、TO
P絵を変更しました。三話更新時にいただいた23のコメントのうち、5つのコメントでTOP絵について触れてもらえました。
 たとえばTOP絵、たとえばおまけ漫画。サムネにネタを仕込むとか、作者コメントでボケるとか。何もかもをいっぺんにやっても作者の負担が大きくなるので、話の展開と相談しながら試してみるとよいでしょう。話が大きく盛り上がる回の時に、作品以外でいろいろな工夫をするのはかえって野暮かもしれませんので注意してください。


 この項長くなりそうなので次回に続く。

       

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