Neetel Inside 文芸新都
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女王気質の彼女と俺
第4話 NEWバンド

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あれから数日が経ったが、残りのメンバー探しは一向に進んでいなかった、俺たちはどうしようもなく放課後の教室で作戦会議をしていた。

「あ~もう!なんでこんなにドラムがしたいって人いないの?」

それはお前の強引過ぎる勧誘が原因じゃないのか?

あの勧誘に乗ってくる奴なんざ1000人に1人の割合だぞ。

志乃ちゃんが奇跡的にその1人だったわけだ。

そう何度も奇跡が怒るはずも無い、と俺が雅に言い聞かせていると

不思議そうな顔をして志乃ちゃんが俺と雅に問いかけてきた

「楓先輩は、なんでドラムをしないんですか?先輩がしたら3人で丸く収まりますよ!」

「なんでって・・・」

しまった!!!俺は本当にジャーマネで収まっていた!!

「初めてでも大丈夫ですよ!みんなでがんばって練習しましょ。」

「そういうわけじゃ。」

「苦肉の策だけど、この際しょうがないわね。あんたドラムやりなさい、でもマネージャも兼業だからね。」

苦肉て・・・・

「よし!メンバーも決まったことだしバンド名を発表するね。」

待て!不服だ!苦肉だと!

俺の怒りは少し間を置いて富士山5合目ぐらいまで一気に上った。

「わぁ!もう決まっているんですか?教えてください!」

う・・・目をキラキラさせてる志乃ちゃんの邪魔はできない・・・・

結局俺はおとなしく富士山から下山した。

雅は不服そうにしている俺を完全に無視し話を続けた。

「ふふ、新バンド名は!」

まさか、こいつは例のアニメのバンド名をパクる気じゃ。

そんな心配をしていると、雅は胸ポケから紙を出して広げた。

「MSkⅡよ!!」

俺と志乃ちゃんは何も言葉を発することができなかった。

「何それ?」

ようやく俺が発言をしたのは20秒ほどしてからだった

「なにそれってMは雅でSは志乃ちゃん!kはあんたよ」

「Ⅱはなんだ?そしてなんで俺だけ小文字なんだ?」

「Ⅱに意味はないよ、締りがいいから。どう?志乃ちゃん?」

やっぱり俺の質問には最後まで答えないのか、

つか志乃ちゃんなんて反応して良いのかわかんねんだろ?

無理も無い、この安易な発想じゃ・・・・

俺は志乃ちゃんの顔を覗いた。

「めちゃくちゃいいんじゃないんですか?!」

うはっ!めっちゃ顔が明るいし。

まぁいいか・・・二人とも納得がいくならそれで、

でしょ~とか自慢げに言っている雅と、最高です!なんて嬉しそうにはしゃいでいる志乃ちゃんの顔を見ていると

だんだん俺もうれしくなっていた。

さ~て帰りがけにドラムの入門書でも買ってこうようかなぁ

       

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