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ドラゴンボールN
三分クッキング(1)

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「キューピー三分クッキング」

テレレッテッテッテッテ テレレッテッテッテッテ―
テレテッテッテッテッテッテッテッテーッテッテー

テレレッテッテー テレレッテッテ――

「今日の三分クッキングは、ベジータさんのお料理でお送りします」


ベジータ:「今日の料理を担当するベジータだ。」
    
     「俺が作る料理のレシピを紹介する。耳をかっぽじってよく聞くがいい。」
  
    ・カップヌードル   1つ
    ・薬缶(もしくは鍋)  1つ
    ・燃料(薪)      数本
    ・気         少量
    ・水         500cc

ベジータ:「それでは、始める。
      まずは、この薬缶に水を入れる」
  
     ザー
 
ベジータ:「次に、薪を暖炉に入れる。よし。ここが重要だ。落ち着いて深呼吸を・・・」

     スー ハー スー ハー

ベジータ:「戦闘力を限界まで下げるのだ―もっと… もっと… よし、これぐらいか」

     ポッ   ドガアアァァァン  

ベジータ「…くそったれーっ!!何て脆い暖炉なんだ!!チッ、まあ仕方がない。薬缶に直接気を伝わらせ湯を沸かすことにする。」

    「今度はもっと注意して―……… よし、いい感じだぞ!!」

     シュー シュー シュー・・・ ボゴボゴボゴ

ベジータ「よし、沸いたぞ!!今のうちにカップルードルのふたを開け―」
 
     ビーッ

ベジータ「クッ、俺としたことが!半分どころかすっかりふたを開けてしまった!」
 
    「まあいい。ふたをテープで止めて・・・三分間待つ・・・」

     チッ チッ チッ チッ  ピー

「はい、三分経過いたしましたー」


ベジータ「なにっ!!ま、待て!まだ二分もたっていな・・・」

「それでは、ベジータさんの料理を召し上がっていただくのは・・・

 ベジータさんの実の息子、トランクス君です!!」

トランクス「・・・・・・・・・」

     スタスタスタ 

ベジータ「ト、トランクス・・・」

トランクス「・・・・・・」

「それではトランクス君、どうぞ!!」

トランクス「・・・いただきます」

     パキッ ベリベリ ズー ズー ズー ゴクン…

ベジータ「ど、どうだトランクス・・・美味いだろう?」

トランクス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ママのほうが、美味しいよ・・・パパ」

ベジータ「・・・・・・・・・」

「ありがとうございましたー。それでは次回は」

ベジータ「くそったれええええええええええ!!」

    ゴウッ  シュインシュインシュインシュインシュイン… 

ベジータ「こんな三分クッキングなど、俺が吹き飛ばしてくれるわ!!ファイナルフラーッ――」

ブッ  ザ――――――――

終わり         

     

「キューピー三分クッキング」

テレレッテッテッテッテ テレレッテッテッテッテ―
テレテッテッテッテッテッテッテッテーッテッテー

テレレッテッテ― テレレッテッテ―


「前回の折、番組側の不手際で番組が途中で中断してしまったことを、お詫び申し上げます。まことに申し訳ありませんでした。」

「今日の三分クッキングは、孫悟空さんのお料理でお送りいたします」

ワーワー パチパチパチ ヒュー ワー パチパチ…

悟空  「オッス、オラ悟空!よろしくな!」

ワーワー パチパチパチ ヒュー ヒュー ワー ワー パチパチパチ…

ベジータ(くそったれ…俺の時にはあんな拍手など誰もしていなかったんだぞ…カカロットのヤローめ…)

悟空  (あれ?何でベジータがあんなとこに居るんだ?・・・まあいっか)

悟空  「そいじゃ、オラが今から作る料理の材料を説明するからな。みんな、よく聞いてくれよな!」



    ・本格冷凍クイックパスタ  1つ
    ・キャベツ         1/4玉
    ・にんじん         半分
    ・気            少量


ベジータ「生野菜だと?あんなものを一体どうするつもりだ?」

    「…フン。みせてもらうぞカカロット…」

悟空  「んじゃあ、はじめようか。まずはこれを取り出して、と」

     バリバリ 

悟空  「この電子レンジ――?っつー箱に入れて…ニ分だ。
     このときに注意してもらいてえ事がある。オラも前にこれを使ってたことがあったんだけど、うっかりと力が入りすぎてスイッチぶっ潰して使い物にならなくなっちまったことがある。だからみんなも、くれぐれも気をつけるようにな!」

ベジータ(こ、こいつ…!この前のアレは貴様の仕業だったのか―!!おかげでなぜかこの俺が身に覚えの無いことでブルマにこっぴどく叱られたんだぞ!!分かっているのか、カカロット!!)

悟空  (ん?ベジータがこっち睨んでやがる…どうしたんだ?腹でもいてえのかな…)

    「今度はよく注意して…そーっと―そーっと―」
 
     ピッ ピッ ピッ  ブオーン

悟空  「おっし!上手くいったな。よかったよかった」

    「じゃあ次は野菜だ!オラハここでは指を使うけど、みんなは普通に包丁を使うようにな!」

     スッ

悟空  (神経を研ぎ澄まして、もっと気を鋭く――もっとだ――よし!)

     ストン ストン ストン ストン

悟空  「にんじん終わり!次はキャベツだな。よし、行くぞ!」

     ストトトトトトトトト トトトトト…… ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ベジータ「あ、あのバカ…何やってやがる!キッチン台が…」

悟空  「ハッ!いけねえ、つい夢中になりすぎちまった。あははは…」

    「ま、まあいいさ。気ぃ取り直して切ったにんじんと…キャベツをボウルに入れて…」

     ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ  

悟空  「お、ちょうどいいや。向こうも出来上がったみてえだ。よし、パスタをさらに盛る・・・」

     ドサッ

悟空  「その上に切った野菜を乗せて…出来上がりだ!」

     チッ チッ チッ チッ ピー

「はい、三分経過いたしましたー」

悟空  「おう、もう出来てるぞ。で、誰が食うんだ?ピッコロか?ベジータか?」

「それでは、孫悟空さんの料理を召し上がっていただくのは…

 ベジータさんの元部下、ナッパさんです!!」

ベジータ 「な、なんだと・・・」

ナッパ  「……」
    
      スタスタスタ

悟空   「おろ?あいつぁ確か地球に初めて来たときのベジータの隣にいたやつじゃ…」

ナッパ  「……」

「それではナッパさん、どうぞ!」

ナッパ  「…いただくぜ」

      スッ スルスル ズー ズー スルスル……

ベジータ「あいつ…食い方が上品になってやがる…」

悟空  「どうだ?…えーっと…  うめえだろ?」

ナッパ 「……」

     フルフル

悟空  「…?」

ベジータ「…?」

ナッパ 「うまいッ」

     テレッテテー

「おっと、ナッパさんの頭が輝き始めました…一体どういう現象でしょうか?」

ナッパ 「フッ。ようやくうめえもんが食えたぜ。俺は今最高に幸せだ。これでやっと成仏できる。
     
     感謝するぜ、地球人。今度お前が死んだとき、またこのパスタを――」

     シュン

悟空  「…消えちまった?いってえどういう事なんだ?」

    「まあ、あいつもうめえって言ってたし。よかったよかった!」

ベジータ「……」

「ありがとうございました。それでは今回の三分クッキングを終…」

ベジータ「カカロットォォォォォォォ!!」

     ゴウッ シュインシュインシュインシュイン

ベジータ「貴様ァ!!よくも俺のうちのレンジを壊してくれたなァ!!」

悟空  「げっ!!や、やべえ…」
     
     ゴウッ シュインシュインシュインシュイン

ベジータ「絶対に許さんぞ!!覚悟しろ!!

     喰らえ!ビック・バン・アタァァァァァック!!」

悟空  「バイバイみんな…」

     ビッ

     ズァオ カッ





ザ―――――――――――――――――――――


終わり

     

最近は地獄も悪くない。フリーザはそう思っていた。
あのわけの分からないスーパーサイヤ人の餓鬼に殺されてここに来たときは、皆が想像するような想像を絶する仕打ちを受けるものと勘違いをしていたが、それは間違っていた。
この地獄と呼ばれる場所に、死んで魂になった者が極悪人であれば送られる。そうでない者は天国に行くか、本人の希望でまた生まれ変われる。
そして、俺が今ここにいる地獄とは、天国を支えるために罪人が強制労働をさせられる施設になっている、と赤鬼の一人に聞いた。
事実、俺はここに来てもう何十年にもなるが、日曜日以外は毎日365日休み無しの労働だ。
ここにもさまざまな人種がいる。地球人やらどこかの星の人間やら動物やら、とにかく大勢の変り種がそこで見られる。中には、この俺以上の力を持つ緑色の怪人を見かけたことがある。改めて、宇宙が広いことを実感した。
始めのときは何もかもが馬鹿らしく思えた。戦闘力を100以下にコントロールされた上で、畑の仕事や危険な鉱山の労働、何かの機械の組み立て、掃除に料理など、生きている間はまるで考えてもいなかったことを、今現在でも俺は続けている。
一ヶ月経った頃、初めて監督の赤鬼から、「給料」を貰った。ちっぽけな金で、ビールという飲み物を一缶分しか買えないほどちっぽけな金だった。それでも何故か俺は嬉しかった。自ら働いて金を得た、と言う経験は初めてであったからだ。冷蔵庫で冷やしたビールは労働で火照った体がとろけるほどに美味かった。このとき、俺は労働の喜びを知ったのだ。
とにかく、俺の毎日は労働の日々だ。娯楽らしい娯楽と言えばギャンブルか酒かタバコぐらいしかない。しかし、ここでの生活は嫌いではない。むしろ生前は得られなかった満足感や充実感が味わえている。言い方はおかしいが、もっと早くここに来られていれば、と思っていた。
だが最近、いくらか少し物足りなさを感じてきている。スリルだ。ギャンブルにはいくらかのスリルが伴うが、完全に満足するには至らなかった。それに、地獄での戦闘行為は禁じられている。その点では、生きていた頃のほうが面白かったといえる。
一日の仕事を終え、木材で組んだ簡単なベッドで眠るとき、いつも思い浮かべていることがある。
ナメック星での戦い。ソンゴクウという名のスーパーサイヤ人と戦ったあの瞬間。血の滾り。あの時ほど俺が本当に必死になって全力で敵に立ち向かった瞬間は今までに無かった。
願わくば、もう一度戦いたい。一回だけでいいから、俺を楽しませてくれ。
フリーザは戦いに飢えていた。まるで、サイヤ人のように。そんな思いも、目を瞑り数分もしたら溜まった疲れが快い眠りを誘う。今日もフリーザは、明日を送るために深い眠りの世界へと沈んでいった。

       

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