第2話 「4年前① 悲劇。そして喜劇・・・。」
俺は小学校から高校まで12年間続いてきたイジメを耐え抜き。見事、引きこもり生活に成功した。
しかし、そんな俺を親が怒らない訳が無く、毎日毎日俺の部屋の前で怒鳴り散らしていた。
父ちゃんは、仕事で家を出るまでずっと俺の部屋の前にいたし、母ちゃんは、ゴミ置き場での井戸端会議にも参加せずに俺を怒鳴り散らした。
俺は何とも思わなかった。むしろ、親なんて死んじまえって思ってた。
そして・・・。
父ちゃんが死んだ。
俺は何も知らなかった。親父が癌だって事も。もうそんなに生きられないって事も。
俺は父ちゃんになんにもしてあげられなかった。
だから俺は、闇雲に就職先を探した。
精一杯働くことが、死んだ父ちゃんにできる親孝行だと思ったから。
母ちゃんも応援してくれていた。必死にパートやってくれて、面接の日には、
「頑張れ!」って言ってくれた。
そして俺は就職先を見つけることができた。
母ちゃんは泣いて喜んでくれた。うれしかった。
仏壇の前で父ちゃんに報告した。漫画とかであるような父ちゃんの声が聞こえるとかは無かったけど、なんかうれしかった。これから親孝行できるんだなって感じて。
そうして俺は、35歳の時にやっと職を見つけた。
だけど・・・。
第3話に続きます。