闇喰い-忘れられた世界-
プロローグ
「ねえ、知ってる?あの廃ビルの噂~」
教室で女子たちが騒いでいる。
「あそこ、出るらしいよ~」
「出るって何が~?」
「決まってるじゃない!!」
女子の一人が人差し指を立てて言う。
「幽霊よ!!」
「え~うっそ~!」
「信じられな~い」
馬鹿馬鹿しい・・・。
と思いつつ私は立ち上がる。
午後の授業、決まってのエスケープ。
(自分の流した噂でもあそこまでいくと馬鹿馬鹿しいものだわ。)
思っているうちにも屋上に着く。
「さて、行きますか!」
そして少女は空を舞った。