◆ プロローグ
壊されていく。
大切なものが一つ一つ壊されていく。
「力を下さい。力を下さい。力を下さい」
何度空に祈っただろう。
ヤツラの力は強大で、何かを守るには俺の両手はあまりにも無力で、結局俺には祈ることしかできないから。
「力を下さい。力を下さい。力を下さい」
空は何も答えてくれない。
分かっている。あの向こうには天国なんてないし神様もいない。ただヤツラの生まれた汚らわしい星があるだけだ。
大切なものがまた一つ壊された。
「力を下さい! 力を下さい! 力を下さい……!」
千度祈っただろう。
万度祈ったかもしれない。
「力を……下さい」
そして、天使は俺に舞い降りた。
あるいは悪魔かもしれないが。
※ここから本編ですが、人によってはグロと感じるかもしれません。
苦手な方はご注意下さい。