フロマトベ。
「ストレンジャーはね、」
「お父さんよりも強いヒーローなんだ!」
「へえ、だったらうちの父さんも勝てないね!」
クレヨンで画用紙にぐちゃぐちゃと
力いっぱい線をかきなぐる。
「一緒にストレンジャーごっこしようね!」
「僕と平太君、どっちがストレンジャーやるの?」
「代わりばんこでやろう!」
「ストレンジャーは一人じゃないの?」
「一人だけど、一人じゃないんだ。」
「一人だけで世界を守るのは大変だから」
「みんなで代わりばんこで戦うんだ!」
「うちのお母さんも、いつもお洗濯大変そうだしね!」
「みんなでやったら、きっと楽ちんだよ!」
「大きくなったら、ストレンジャーに負けない様な」
「強いやつになりたいな!」
幼稚園の頃、自分で考えたヒーローに
本気で憧れていたがいまだ僕は
父さんにも勝てていない。
本当に、困ったものである。