友人の評価はイマイチでも彼女はキュート
「御茶ノ水に行こう」
「いいけど…」
「どうした?」
「なんで私たちには名前がないのかと思って。不便じゃない」
「ふむ。まあもっともな話だ」
「でしょ」
「実は君の名前は原案では凛にする予定だったんだ」
「・・・!(かわいい)」
「…だが、ちょっと事情があってな…ぶっちゃけて言うと某ノベルのキャラと全く同じ名前なんだ」
「・・・」
「・・・」
「凛と咲いて」
†
「今日も見るだけなの?」
「短絡的かつ率直に言うと、まあそうだ」
世にある数々の楽器、ギター、ベース、など。
これらの音やデザインに憧れる人たちも多いことだろう。
給料数ヶ月分の高級楽器も多い。そしてプロと呼ばれる人たちの多くがそれを商売道具として持っている。だけど考えてもごらん、僕らのように趣味で音楽をやってる人たちにそんなもの必要だろうか。否、僕はそうは思わない。
今日は高級楽器の裏にある廉価版やB級ギターブランドを見ていこう。
まず寄った店に並ぶ一万円くらいからたかくて五万円以内のギターたち。ロゴには「Grass roots」「Edward」「killer」と書いてある。
これらはESPの系列ブランドだ。
とにかく安い最低価格帯のグラスルーツ、ワンランク上がってエドワード。キラーは高崎晃のギター制作を手掛ける会社「Killer Guitars」の廉価版だ。高崎晃はハードロックやメタルの人なのでそれ系の音・デザインであることは窺えるだろう。
「ESPって?」
「ESP(イーエスピー)はコピーモデルが中心だった国産ギターの中、1975年に高級カスタムギターの製作とプロ・ミュージシャンのリペアーなどを行う目的で設立された会社さ。アーティストやギター職人等を養成するための専門学校もある。1990年にはアメリカのシェクター社を買収しているよ」
「へぇ。分かってはいたけど詳しいわね」
「へへ///」
†
中古楽器店で見かけることの多いであろう「Aria Pro Ⅱ」。これは荒井貿易という会社のブランド。荒井だからアリアってのもそのまんまな話だね。
「Ⅱってのは何さ」
「フォークギターなんかには「ARIA」のブランドをつけてるからそれと区別するためじゃないかな」
同じく「Legend」。これも荒井貿易のブランドでフェンダー系のコピーモデルを主に扱ってる。逆に「Blitz」はギブソン系のコピーモデル。これらは元は同じ会社さ。
「色んなブランドがありすぎてどれがどう違うのか分かんないわ」
「でも一つづつ解いていくと案外理解できるものさ、ブランドの流れってやつをね」
「そうね…そう言われるとそんな気もするわ」
「じゃあ次に…と言いたいところだが」
「?」
「作者がバイトに行く時間だから、続きはまた後日」
「り…凛と咲いて」