トップに戻る

<< 前 次 >>

第8話『僕と酔って暴走するホッシーナ』

単ページ   最大化   


 皆さん、おひさしぶりです。神道です。
 長い間休載にしていて申し訳ございませんでした。

 いやはや、前回は次回予告ができなくてすみませんでした。ですが、おかげ様でとてもすばらしい夜を過ごすことができました。いやぁ、ふふふ。思い出すだけで……と、いけないいけない。

 実は休載前に「酔って暴走するホッシーナを見たい」というリクエストをいただいていました。なので今回はそちらをお送りしたいと思います。

 時系列は第7話のあと、僕と月子とホッシーナが少し仲良くなってきたころのお話です。



 ……ご察しの通り、平穏のまま終わるはずもありませんね。



 第8話「僕と酔って暴走するホッシーナ」



42, 41

  


 さて、まずは勘違いをされている方もいるかもしれませんので、説明しておきましょう。

 最初こそイロイロとありましたが、僕と月子とホッシーナはそれなりに仲が良かったりします。やはり同じ超能力者同士だからでしょうか、月子とホッシーナは仲が良いみたいです。この前はいっしょに服を買いに行ったとか……それを事後報告で聞いたとかもうね……
 まあ、月子が許しているかどうかが心配だったので、僕としては一安心です。



 今日はホッシーナが月子の住まいにやってきました。いえ、月子がホッシーナ(と僕)を招いた、というほうが正しいでしょうか。夕食を振る舞ってくれるそうです。

「じゃあ、ほんのちょっとだけ待っててねー」

 と言って月子は台所に引っ込みました。僕とホッシーナはすることがないので、テレビを見ながら待つことにしました。
 テーブルの上にあるのは缶ビールや発泡酒などのお酒と、ツマミと思われるほうれん草のお浸しと漬物。

 おいしそうですが……僕は、これだけは避けたかった。ホッシーナと二人きりになる、ということを。
 月子は知らない。僕とホッシーナが交わしていた、あの秘密の話しのことを。小倉百人一首を語り合っていたなんていう見え見えのウソに騙されているんだ……

「神道先輩、呑みませんか?」

 なんて言うホッシーナはすでに蓋を開けています。僕はしぶしぶ付き合うことにしました。

「かんぱ」


 ゴキュゴキュ


 ……乾杯してくれなくても寂しくないですよ、本当ですよ。


 ゴキュゴキュ
 モショモショ


 なんでしょう、この沈黙。いや、おいしいんですけどね、ほうれん草。

「もう一本、いただきますね」
「ああ、うん」


 ゴキュゴキュ
 モショモショ


「ほうれん草おいしーですね」
「ああ、そうだね」
「これ、伊藤先輩のお手製ですか? すごいですねー」

 それにしても呑むペース早いな、ホッシーナ。
 ……頬が赤くて、語尾が間延びしている。

「神道せんぱい」
「な、なんだい?」
「このまえ訊いたこと、おぼえてます?」
「……何のこと?」
「あなたは何者なんですか、というところです」

 ……もちろん覚えています。どうせ酔っているんなら忘れてくれててもいいのに。

「前も言ったとおり、僕はいたって普通の人だよ」
「うっそだー」

 ……めんどくさいなー。いや、本当にめんどくさい。とても厄介だ。
 はてさて、どうやって切り抜けたものか……
 ううむ、しかたない。


「斎藤星奈さん、とりあえず呑もうか」
「はい、そうですね」


 ゴキュゴキュ
 モショモショ


 よし、回避。

「陽くーん、できたから運んでーっ」
「はいはーい」

 今日はふわふわ卵のオムライスでした。チキンライスの上に乗った卵を割ると、トロトローと割れるタイプです。
 ホッシーナがやたらと感動していました。ホッシーナは料理が下手らしく、いつもカチカチのオムレツになるそうです。僕はカチカチのオムレツ、好きですけどね。



 三人で楽しくご飯を食べて後片付け。僕とホッシーナが買って出たものの、月子はまったく譲る気がありませんでした。
 月子は普段から家事の類を譲ってくれません。逆に僕が当番のときあれこれ手伝ってくれるんですけどね。

 で、またこれですよ。僕とホッシーナの二人っきりの空間。
 つらい、つらすぎる……もう後がないぞ……

「神道せんぱぁい」

 ヒィ、来た!

「神道せんぱいは、伊藤せんぱいのどこが好きになったんですか?」

 …………!?
 今、気づきました。ホッシーナの顔が、いえ、見えている肌、すべてが赤くなっています。
 間違いない、酔っています。出来上がってます。この子、酔っぱらいです。

「ねぇ、どこに惚れたんですか?」
「えーと、うーん」

 しかも絡み酒ですか。これは余計にめんどうだ……

「そうだなぁ、素直で、感情豊かなところかな」
「あとはぺったんこなお胸、と」

 ぺったんこではない。慎ましく、上品なだけだ!
 別に大きいのが下品というわけでなく、それはそれでいいんです、理由なんていらないんです!

「いとうせんぱいの性感帯ってとこなんですか?」
「呂律回ってないし」

 おいおい、この子大丈夫かなぁ……
 僕は月子に助けを求めるように念じてみたものの、水の音が響くのみ。

(ふんふふ~ん、今日のオムライスは上手にできたな~)

 またテレパシー漏れてる……だめだ、到底こっちに気が向いていない。
 しかし、ラッキーかもしれない。こんな状況を知られたら、間違いなく僕に制裁がやってくるわけだし。

「ねー、せんぱいー」

 ピキーン。
 僕はすばらしい返しを思いつきました。

「ふむ、しかしホッシーナ、まず自分の性感帯を言うのが礼儀ってもんじゃないのかな?」
「内太ももを下から上になでられるのが弱いです」
「ふがっ」

 僕は口にふくんだお酒を吹き出しそうになりました。
 渾身の返しに乗ってくるとは。しかもマニアックな部分が性感帯なんだなぁ。内太ももって。
 となると、こちらも答えるのが礼儀、なのだろうか。自分のことではなくて月子のことだからなぁ……勝手に答えるわけにもいかない。腰と首が弱いなんて言えるわけがない。

 と、僕が返事に困っていると――

「ん~、ちょっと暑くなってきましたねぇ」

 もそもそとホッシーナが上着を脱ぎだして……!
 月子、月子ー! 早く来てくれー! 僕一人じゃ手に負えなくなっている!

(そうだ、今のうちに炊飯器のタイマーつけとこーっと)

 ぐおおおおおっ。

「ふー、すずしぃ」

 うう、間に合わ……お、おおう。おおぅ、ををぅ。
 一枚下はキャミソールでした。黒のキャミソールに、それに……見えてる、見えてるよ。紫のブラ……ブラ紐どころじゃなくて、ちょっとはみ出してるよ……
 それにしても谷間……ゴクリ……

「あー、せんぱい、またみてるー」

 ホッシーナは四つん這いになり、のそのそと僕のほうへ寄って来ました。
 四つん這いはだめだ、それはいけないっ、溢れる、そこから何かが溢れてる! 僕には、いえ男性諸君は見えるはず、女性の谷間から溢れる何かが!

「ねえ、せんぱい」



『私、いいんですよ……?』



 あ、あっ、あっ!
 あぶなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ! 今のこれ、僕の妄想! 現実じゃなくて僕の妄想! 僕のバカな妄想だからね! 
 皆さんも経験ありますよね!? 恋人がいながらも他の異性でちょっと危なげな妄想をしちゃうってこと! ありますよね!? 僕だけじゃないですよね!? 僕、普通ですよね!
 だってほら、恋人や好きな人じゃあ自慰できないって言うじゃないですか! それと同じ! ああ僕何を言ってるんだ、僕も酔ってる、きっと酔ってる!

「せんぱい、せんぱいぃ……」

 うう、来るな、来ちゃだめだホッシーナ。僕には月子が……


「ぎもぢわるい」


 ……え?


「う゛、はぎぞう……」

 つ、つ、つっ。

「月子ー! タイム、タイムストープ!」

 ・
 ・
 ・
 ・
 ・

 というわけで、ホッシーナは今、酔い潰れて眠っています。

「どうしてこんなになるまで放っておいたの?」
「ごめん……」
「いくら私でも、酔いまではどうにもできないんだからねっ」

 ぐったりとするホッシーナを撫でながら、月子は怒っていました。
 ちなみに布団の中のホッシーナは服を着ていません。いろいろあって服を洗濯している最中です。

「ほら、陽くん。今日は帰って」
「え、ええ!?」
「洗濯中だから、代えの服がないの」

 そんな殺生な……

「それとも、ホッシーナの身体が見たいの?」

 正直に言えば、少し見たい。

「ああそうか、月子の服じゃ、ホッシーナの体型に合わないのか」

 やっぱり酔っていました。僕はそんなことを口走っていました。



 ぺちゃん。



 その瞬間ですね、残っていた缶ビールが一本、ぺっちゃんこになりました。
 まるでアルミホイルように、ぺらんぺらんのくちゃんくちゃんでした。

「おお、おおお」
「これ、今から2分後の陽くんの姿ね」
「武力行使とは卑怯な! 嫉妬なんて恥ずか」
「残り30秒29282726252423……」

 早い早い早い早い早い早い! えらい横暴なタイムカウントだ……!

 僕は文字通り逃げ出しました。
 せっかくの金曜日が、金曜日の夜がぁ……



 僕と月子、二人っきりの夜が……!



 ……蒼井そら先生、待っててくださいぃ……



『次回予告』



 なんということだ……
 家に帰ったら、DVDがすべてなくなっていました……
 どうやら回収されてしまったようです……

 ははっ。

 ハハハハハッ。

 鬼だ、鬼だ……月子は鬼だ……!

 そんなわけで次回は『僕のカノジョは大魔王』をお送りします。魔法少女のときと同じようなノリです。
44, 43

  




『コメント返信』



 気を取り直してコメント返信!


[29:第6話『僕のカノジョは魔法少女』] 魔法が効かないなら超能力を使えばいいじゃない <2011/12/29 19:25:52> w1f.Ygf.P

 おっしゃるとおりでございます……いやしかし、そこに醍醐味があったわけでして。


[30:第6話『僕のカノジョは魔法少女』] 次回も、貴方の心にチェックメイト! <2011/12/29 23:15:09> hikepeD1P

 おお、なつかしいですね! あのころはそんな絵柄がブームになりましたね。


[31] 塔はやめろ、塔は <2011/12/29 23:42:09> VgwkHHc.P
[32] あの塔から召喚したのか…! <2011/12/30 19:58:13> oFC9gC/0P

 すみません、悪ノリしすぎました。


[33] 神道裏山  <2011/12/31 03:45:02> A/I0Bva.P
[34] 腐り落ちろ <2012/01/02 04:48:10> r7cOBJg1P

 あえて謝りません。ふふふっ。


[35:第7話『僕が激怒した夜』] ちくしょぉぉぉぉぉぉ!!!!!!! <2012/01/02 07:15:17> Dgu6cB91P
[36:第7話『僕が激怒した夜』] タイトルから少しでも真面目な内容を期待した俺が馬鹿だったよ。 <2012/01/02 16:15:24> OZNnkyU0P
[37:第7話『僕が激怒した夜』] こらー!w <2012/01/02 23:40:39> RRzaaKm0P
[38:第7話『僕が激怒した夜』] 前回の次回予告に盛大に釣られてしまった!!! <2012/01/03 01:50:56> Qe7IhGD1P

 騙された人がたくさんいました。そして聞いたところによると、壁がボコボコになってしまったとか……



【作品の都合上、神道くんは番外についたコメントを返信できません】
45

ひょうたん 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

<< 前 次 >>

トップに戻る