禁煙カフェ18/チンコレディブル容疑者
「で、それ以来夕方になると二次元女が出てきて、えっちな目で見た男を二次元にしてしまうらしい」
「はぁ……」
少年は困惑していた。
それはそうだろう。
バイトの面接でいきなりこんな都市伝説だか笑い話なんだか微妙な話を聞かされては。
「えーっと、この商店街に伝わる怪談みたいなものですか?」
それでも一応少年は興味がある振りをして話を合わせた。
なにしろこのカフェの時給は他の似たような店よりもかなり良いのだ。店長が多少面接で変な話をするくらいならお安いものだ。
しかし返ってきた答えは少年の予想のどれとも違っていた。
「怪談ではないよ。圧死事件があったこと。その後死体が消えたこと。そして集まっていた警察やマスコミ、野次馬も揃って消えたこと。少なくともこれらは事実なんだ」
「え……」
「それでね」
店長がにっこりと笑って続けた。
「この店が、その事件のあったカフェなんだよ。その事件の後に格安で売りに出されてたからつい買っちゃったんだけどね。何故かバイトがすぐに行方不明になるから困ってるんだ。君さえ良ければ明日からでも来てほしいな」
「ハァ!?」