「ジョジョの奇妙なマッチWRY」
「誰も買ってくれない…」
ある冬の厳しい寒さの中、少女は街に出てマッチを売っているのだが、買ってくれるどころか、皆立ち止まってさえくれないのだ……
「(…寒い……)」
「一本だけ……」
シュボッ!
「ああ…美味しそうなクリスマスのご馳走がたくさんみえるわ…」
(ツリーの側のテーブルの上の、湯気が出ているアツアツのスープに、焼きたてのターキーに、一人じゃ食べきれないほどの…)
「マッチ売り!『キサマ見ているな!』」
「あ…火が消えちゃった……」
「(美味しそうな料理だったな……)」
「もう一本だけ…」
シュボッ!
「え…お婆ちゃん?」
(お婆ちゃん!?私の優しいお婆ちゃんなの!?)
お婆ちゃんは……お婆ちゃんはいつも私に優しくしてくれた…わたしがママにぶたれてるときはかばってくれたし、お婆ちゃんのところへ行くといつも美味しい夕食を食べさせてくれたし、だらしないから気合いを入れてやったママの新しいお父さんは二度と来なくなったし料金以下のマズい飯を食わせるレストランに金を払わないなんてしょっちゅうよ…
(…お婆ちゃんはいつも優しくしてくれた……)
「お婆ちゃん!わたし――」
(あ!火が消えちゃう!)
「(残りも全部擦ろう!!)」
シュボッ!
「お婆ちゃん!わたし――」
「……『再点火』したな!」
(!!?)
ガシィィイィン
「チャンスをやろう………向かうべき『2つの道を……!!』」
(お…おかしい……ど…どうしたんだろわたし!?か…体が動かない……)
「お…お婆ちゃん!?」
「チャンスには…『おまえが向かうべき2つの道』がある…ひ と つ は 生きて『選ばれる者』への道……
も う ひ と つ は!!さもなくば『死への道』……!!」
「なっ!なにしやがるん――」
「『再点火』したのだ!受けてもらうぞッ」
ドギャアッ!!
ブシュゥ――ッ!
「……あぐっ…ぐ…ぐあ」
「生 き て た な …お め で と う。おまえには『素質』がある。『素質』のない者は死んでいた。この『聖なる矢』につらぬかれ…生きていたということは!すなわち…おまえは今…ある『才能』を身につけたということだ…その才能がいま…おまえの精神から引き出されたのだよ…」
「お婆ちゃん――」
「…本当に…楽しかった50日間じゃったよ」
「幻…覚か」
(フフフ…ついに幻覚まで見るようになったのね…もう限界みたい。
もうすぐ…わたしは死ぬわ
…でも……最後にお婆ちゃんに会えて幸せだったわ………)
・・・・
「……死んでるのか?」
「ええ、凍死みたいですね……完全に死んでいます。『生命エネルギー』も感じられません…」
「…警官に連絡だけして帰ろうぜ」
バタム!
ブロロロロロ…
ピッツァマルガリータが食べたい
「(…『ラクガキ』………?)」
「…『ピッツァマルガリータ』か………そういやぼくもピッツァが食べたいな……」
To Be Continued・・・