ジメジメとした部屋で
時間を待っていた
プラグを挿してパソコンを立ち上げる
アカウントである僕自身が
電脳世界に流転する
もう一人の僕が
一晩の間
置き去りにされた僕の人形が
向こうで待っているはずだ
学校が始まるまであと五分
その間僕は
ひょうびょうとしたまっさらな意識のなかで
先生がスイッチを押してくれるのを待っている
部屋は暗い
僕はゆっくりと意識を失った