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第2回 日々徒然(砂漠に咲く一輪の毒花)

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第2回の評論は日々徒然(作者 GaS先生)を評論させていただこう。

今回も実録系である。

この漫画はどこかの雑誌に掲載されていてもおかしくない。漫画そのもののクオリティが高いと思う。ぼくが気になっているのがGaS先生の絵の技術の高さである。漫画家としての基本的な技術が既に出来上がっているように見えるのだが、この人、どこで、それを学習したのだろうか?

と言うのは、例えWeb漫画であっても、その中で絵が上手いと思われる人というのは、どこかの漫画家のアシスタントをやっていたとか、持ち込みを一生懸命やっていたとか、美大生だったとか、もしかしたら今も漫画家だとかで、どこかで絵を本格的に学習した時期があるはずなのだが、漫画上のGaS先生の人生には、そのような形跡が全くないのである。これはちょっと驚きである。4コマ漫画は、絵が上手くないと、通用しない世界なので、GaS先生の技術の高さには注目している。



さて、それではGaS先生の漫画を分析していこう。



① Gas先生はクレバーな女性である。

これは、もう、認めざる得ないだろう。童貞の新都社読者に「私に変な幻想を抱くなよ!」とくぎをさすために、最初の方の回で便器に腰かけた自分の姿とか、体系の緩みとかを描いてしまってる。これで、読者はGaS先生に幻想を抱かなくなるのだが、だからと言ってGaS先生に対する好意がなくなる訳でもない。その後、彼氏が登場するのだが、ここでも、非モテの逆鱗に触れないようにちゃんと配慮されている。なかなかの策士である。GaS先生のツウィッターを読んでいると感じるだが、ここでも、不適切な自意識も漏れみたいなものが感じられない。これはできるようでいて非常に難しいと思う。GaS先生ご夫妻と面識があるぼくは、現実のGaS先生は堀北真希によく似た美女であり、ご主人がキアヌリーブスそっくりのイケメンであることを知っているのだが、非モテや童貞の逆鱗に触れないように、そのあたりは漫画の中ではしっかり隠されている。いやあ、見事なものである。



② GaS先生の漫画を読後感はプチプチをやるのに似てる。

ここから、GaS先生の漫画そのものについて論評しよう。日々徒然は社畜あるある系の漫画で、そのような形で論評されることが多いと思うが、ぼくはもう少し、掘り下げてこの漫画を分析ししてみよう。



GaS先生の漫画は面白い。

ただ、その面白さは爆笑をさそうような面白さではなく、もっとなんというか不健康な漠然とした面白さである。ようするにハレの爽快感ではなく、もっと別の種類の何かがその面白さの原因であると思う。

ここで、ぼくは自律神経失調系漫画と自分が勝手に名付けている漫画達を思い出した。 作品で言うと、臨死 江古田ちゃん

小説だと太宰治。

あの辺と同じ感じの面白さである。

この感じ、最初、うまく言語化できなかったのだが、この面白さ。あれに似てることに気付いた。プチプチをやる面白さ。そして、中毒性に・・・・。

GaS先生はプチプチをやる堀越真希である。



② 心が折れそうな時に、中島みゆきを聞くのはナウシカかムスカ大佐か?

日々徒然の中のエピソードにGaS先生が心が折れそうになったときに、中島みゆきの歌を聞いているエピソードがあった。ここで、ぼくは考えた。

ジブリキャラで、心が折れそうになったときに中島みゆきを聞きそうなのは誰か?



ナウシカは、多分、中島みゆきは聞かない。ナウシカが心が折れそうになったときに聞くのはエンヤだろう。

ナウシカのセリフに「私、自分が怖い。憎しみにかられて何をするかわからない。もうだれも殺したくないのに」とかいうセリフがあるが、中島みゆきに、おまえ、何様のつもりだとかつっこまれそうなセリフである。 

では、ムスカ大佐はどうだろうか?

ムスカ大佐は中島みゆきを絶対に聞いていると思う。聞きながら涙を流していると思う。ムスカ大佐の名セリフに「見ろ!人がゴミのようだ!」と言うのがあるが、これは実は中島みゆきを聞いている人が、自尊心が膨らんだときに全員が口にする言葉である。宮崎駿は、中島みゆきからそのエピソードを聞いて、ムスカ大佐のキャラクターを作る参考にしたらしい。これは、ぼくが宮崎駿から直接聞いた話である。

で、このことより、GaS先生は、ナウシカよりムスカ大佐に似ているというのがわかったと思う。

それと重要なこととして、ナウシカはプチプチをやらなそうだが、ムスカ大佐は絶対に

プチプチ好きだと思う。

ここまでをまとめると

GaS先生は、ムスカ大佐の心を持った、プチプチをやる堀北真希である。



③Gas先生の読者は、ターミネーターかエヴァか?

次にGaS先生の読者について分析してみよう。なぜ、分析しようと思ったかと言うと、GaS先生の場合は、作家と読者の心理的な距離が近い印象を受けているので、読者の分析も不可欠であると考えたからである。

ここで、突然であるが、

碇シンジ アスカ 綾波レイに登場してもらおう。

性格が全然違いそうな、この3人に共通している特徴はなんだろう。

それはプチプチをやりそうだと言うことである。

執着が薄そうなレイですら、プチプチはやっているそうである。

これは、ぼくがネルフの本部に電話で確認したから、間違いない情報である。

では、ターミネーターはプチプチをやるだろうか?

ターミネーターはやらない。自分の体を修理するのに忙しい。



ここまでのまとめは、GaS先生の読者はプチプチをやるエヴァンゲリオン搭乗員である。

④では、GaS先生と読者に共通した感覚って何なの?

これは、プチプチ好きの人は、何故そうなの?というのと同じ質問である。ムスカ大佐とエヴァの搭乗員に共通した感覚って何だろう?多分、虚弱体質っぽいことではないか?そこから発生する無力感が、ムスカを世界征服に走らせ、エヴァの搭乗員をワーカホリックに追い詰める。

GaS先生の漫画の基本的な構造もこうである。

GaS先生の社畜といえる人生を表面的になぞることで、読者は自分自身の無力感を無意識に刺激される。そこにGaS漫画(プチプチ)が提供されるので、読者はプチプチしてしまうのである。

これが、GaS漫画の中毒性の原因である。



⑤ おわりに

これで、ぼくは表面的にはほのぼのとしているが、本当は恐ろしいGaS漫画の構造を解明した。GaS先生は、これからナウシカになろうとしてるのかムスカになろうとしているのか?

いずれにしても、GaS先生は仕事中毒っぽいのでお身体には気をつけて、今後も漫画を描き続けていただけると嬉しいです。
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